階級概況

混戦傾向は今年も継続。永山竜樹(パーク24)、ルカ・ムヘイゼ(フランス)、アユブ・ブリエフ(ロシア)らベテラン勢は衰えを見せておらず、上位の座を維持。そこに若手のイサク・アシピツ(イスラエル)、ギオルギ・サルダラシヴィリ(ジョージア)、ホマン・ヴァラディエ=ピカール(フランス)らが加わり、上位の層はさらに厚みを増した。これから2028年のロサンゼルス五輪までは、大枠としてこのベテランvs若手の世代間闘争が続くことになるはずだ。

最近の成績から導き出される優勝争いの権利者は、上記の6人に今年好調のバラバイ・アガエフ(アゼルバイジャン)を加えた7人。純戦力では永山、ブリエフ、ムヘイゼの3人がやや抜けている印象だが、ベテランゆえにコンディションがパフォーマンスに与える影響が大きく、当日蓋を開けて見るまで「その日の高さ」が読みがたい面がある。

これに対して安定度は劣るが、勢いで頭一つも二つも抜けているのが18歳のアシピツ。直前に行われたグランドスラム・ハンガリーも制して、その勢いは増すばかり。このアシピツが一気に世界の頂点まで辿り着けるかも、今大会の大きなみどころだ。
この優勝圏内グループを追うのが、ビャンバスレン・スフバット(モンゴル)、アフメド・ユシフォフ(アゼルバイジャン)、ミシェル・アウグスト(ブラジル)らメダル獲得を狙うグループ。実力推測マップでは便宜上グループを分けたが、このグループの選手たちも調子が嵌まれば優勝できるだけの力を持っている。特にビャンバスレンとユシフォフは「最高到達点が高いが安定感を欠く」タイプ。今年は好調でもあり、”準優勝圏内”と呼ぶべき位置にいると考えてよいだろう。
続くジョナタン・シャロン(キューバ)やシェルゾド・ダヴラトフ(カザフスタン)、ジョナサン・ヤン(アメリカ)らのベスト8を狙うグループも、実力は一段落ちるものの、優勝圏内グループに勝利する可能性あり。ただし普段のパフォーマンスから補助線を引けば、ピンポイントの番狂わせは起こせても、表彰台に辿り着くことは難しいと考えるべき。ベスト16を狙うグループも評価は概ね同様だが、実力の絶対値に差がある。期待度は一段下げておくべきだろう。
シード予想

【プールA】
第1シード:バラバイ・アガエフ(アゼルバイジャン)
第8シード:ヤン・ユンウェイ(台湾)
【プールB】
第4シード:アユブ・ブリエフ(ロシア)
第5シード:アフマド・ユシフォフ(アゼルバイジャン)
【プールC】
第2シード:イサク・アシピツ(イスラエル)
第7シード:永山竜樹(パーク24)
【プールD】
第3シード:ミシェル・アウグスト(ブラジル)
第6シード:ホマン・ヴァラディエ=ピカール(フランス)
【シード外有力選手】
ルカ・ムヘイゼ(フランス)、ギオルギ・サルダラシヴィリ(ジョージア)、ビャンバスレン・スフバット(モンゴル)
優勝圏内グループからはムヘイゼとサルダラシヴィリがシードから漏れ、代わりにユシフォフとヤン・ユンウェイ(台湾)がシードに入った。ムヘイゼとサルダラシヴィリ、そして爆発力のあるビャンバスレンの配置により、各プールの勝ち上がりやすさは大きく変わることになっるだろう。
2連覇を狙う永山と勢いナンバーワンの新星・アシピツは同じプールCに配され、準々決勝で対戦予定。この試合が永山にとって最大の山場だ。両者は今年2月のグランドスラム・パリで対戦しており、アシピツが投げ合いの末に隅落で浴びせての「一本」で勝利している。この際はアシピツの得意な接近戦が軸だったが、1試合戦ったことで永山も相応の準備をして臨むはず。間合いを維持して戦うのか、あるいは敢えて相手の得意な接近フィールドを選ぶのか。永山の選択にも注目したい。
逆サイドは、ともに切れ味鋭い投げが武器のブリエフとユシフォフが激突するプールBの準々決勝が熱い。スタミナに難があるブリエフだが、ここまでは力が持つはずだ。プールAからはアガエフが勝ち上がると予想するが、ユシフォフには0勝3敗と分が悪く、一方でブリエフはたとえ勝ち上がっても、試合間隔の短さもあり、かなり消耗した状態で準決勝を迎える可能性が高い。準々決勝の結果が、準決勝にも大きな影響を与えることになる。
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