アジア柔道選手権2024、2日目の21日は男女それぞれ2階級ずつが行われ、男子73kg級は石原樹(JESグループ)、同81kg級はイ・ジョンファン(韓国)が優勝した。
81kg級の日本代表・老野祐平(旭化成)は3位だった。
73kg級 石原樹がユルドシェフら強豪連破し優勝
石原樹(JESグループ)が優勝した。1回戦からダニヤル・シャムシャエフ(カザフスタン)と対戦する厳しい組み合わせだったが、左大内刈「技有」の優勢でここはしっかり突破。続くチェン・ハオジェン(マカオ)との2回戦は、僅か11秒、手前、奥と二段で刈る左小外刈「一本」で制してプールファイナルに進出。
大一番と目された準々決勝は2022年世界王者のツェンドオチル・ツォグトバータル(モンゴル)を全く相手にせず。1分27秒に得意の「両手片襟」の左背負投を決めて豪快「一本」。相手のレベルが一段下がった準決勝では、逃げるラマザン・コジャコフ(バーレーン)を3分24秒、「指導3」の反則で危なげなく退け、決勝進出を決める。
決勝の相手は2023年ドーハ世界選手権3位のムロジョン・ユルドシェフ(ウズベキスタン)。この試合、石原は先に「指導」2つを失う苦しい展開となるが、GS延長戦に入ると、相手の疲労に付け込んでペースアップ。左大内刈に左大外刈と度々惜しい場面を作って追い詰めると、GS延長戦1分58秒、豪快な左袖釣込腰「技有」で勝負を決めた。
3位には、キム・チョルグァン(北朝鮮)とイ・ウンキュル(韓国)が入賞した。キムは3位決定戦でカリム・アブドゥラエフ(アラブ首長国連邦)の右袖釣込腰を谷落で叩き落として「技有」。このポイントによる優勢勝ちで銅メダル決定。イはコジャコフをGS延長戦1分3秒、もつれ際を押し込んでの隅落「技有」で下した。
入賞者、準々決勝以降および日本代表選手全試合の結果は下記。全試合結果は別掲。
【成績上位者】
(エントリー29名)
1) ISHIHARA, Tatsuki (JPN)
2) YULDOSHEV, Murodjon (UZB)
3) KIM, Chol Gwang (PRK)
3) LEE, Eunkyul (KOR)
5) ABDULAEV, Karim (UAE)
5) KODZHAKOV, Ramazan (BRN)
7) TSEND-OCHIR, Tsogtbaatar (MGL)
7) ODGEREL, Uranbayar (MGL)
優 勝:石原樹(日本)
準優勝:ムロジョン・ユルドシェフ(ウズベキスタン)
第三位:キム・チョルグァン(北朝鮮)、イ・ウンキュル(韓国)
第五位:カリム・アブドゥラエフ(アラブ首長国連邦)、ラマザン・コジャコフ(バーレーン)
第七位:ツェンドオチル・ツォグトバータル(モンゴル)、オドゲレル・ウランバヤル(モンゴル)
【準々決勝】
ラマザン・コジャコフ(バーレーン)○GS技有・内股(GS0:19)△カリム・アブドゥラエフ(アラブ首長国連邦)
石原樹○背負投(1:27)△ツェンドオチル・ツォグトバータル(モンゴル)
ムロジョン・ユルドシェフ(ウズベキスタン)○横四方固(3:46)△イ・ウンキュル(韓国)
キム・チョルグァン(北朝鮮)○GS技有・背負投(GS3:12)△オドゲレル・ウランバヤル(モンゴル)
【敗者復活戦】
カリム・アブドゥラエフ(アラブ首長国連邦)○優勢[技有・足車]△ツェンドオチル・ツォグトバータル(モンゴル)
イ・ウンキュル(韓国)○肩車(2:06)△オドゲレル・ウランバヤル(モンゴル)
【準決勝】
石原樹○反則[指導3](3:34)△ラマザン・コジャコフ
ムロジョン・ユルドシェフ○合技[引込返・肩車](1:51)△キム・チョルグァン
【3位決定戦】
キム・チョルグァン(北朝鮮)○優勢[技有・谷落]△カリム・アブドゥラエフ(アラブ首長国連邦)
イ・ウンキュル(韓国)○GS技有・隅落(GS1:03)△ラマザン・コジャコフ(バーレーン)
【決勝】
石原樹○GS技有・袖釣込腰(GS1:58)△ムロジョン・ユルドシェフ
【日本代表選手勝ち上がり】
石原樹(JESグループ) 成績:優勝
【1回戦】石原樹○優勢[技有・大内刈]△ダニヤル・シャムシャエフ(カザフスタン)
【2回戦】石原樹○小外刈(0:11)△チェン・ハオジェン(マカオ)
【準々決勝】石原樹○背負投(1:27)△ツェンドオチル・ツォグトバータル(モンゴル)
【準決勝】石原樹○反則[指導3](3:34)△ラマザン・コジャコフ(バーレーン)
【決勝】石原樹○GS技有・袖釣込腰(GS1:58)△ムロジョン・ユルドシェフ(ウズベキスタン)
81kg級 イ・ジョンファンが順当V、老野祐平は準々決勝で敗れるも3位を確保
第1シードのイ・ジョンファン(韓国)が順当に優勝した。最初の山場となった準々決勝で、ゲレルツヤ・ボロルオチル(モンゴル)を僅か12秒、二段で刈リ込む右小外刈「一本」で一蹴。続くアビライハン・ジューバナザル(カザフスタン)との準決勝は一方的に2つの「指導」を得て迎えたGS延長戦11秒、組み手をスイッチしての左背負投「一本」で完勝。決勝では、ヌグザリ・タタラシヴィリ(アラブ首長国連邦)を、前戦と同じ左背負投「技有」で退けた。
日本代表の老野祐平(旭化成)は3位。1回戦でヌルベク・ムルトゾエフ(ウズベキスタン)に3分1秒の左小外刈「一本」、2回戦でアスケルビー・ゲルベコフ(バーレーン)にGS延長戦46秒の「指導3」と強豪を立て続けに下したが、準々決勝で意外な蹉跌。GS延長戦53秒にジューバナザルに仕掛けた左背負投を裏投で捉えられ、「技有」で屈した。以降は敗者復活戦でゲレルツヤを1分37秒、左小外刈で2度投げての合技「一本」、3位決定戦でシャロフィディン・ボルタボエフ(ウズベキスタン)をGS延長戦1分6秒の「指導3」と危なげなく2連勝。しっかりメダルは確保した。
表彰台最後の1枠はソモン・マフマドベコフ(タジキスタン)。3位決定戦では、ジューバナザルを4分0秒、左小外刈と横四方固の合技「一本」で下した。
入賞者、準々決勝以降および日本代表選手全試合の結果は下記。全試合結果は別掲。
【成績上位者】
(エントリー27名)
1) LEE, Joonhwan (KOR)
2) TATALASHVILI, Nugzari (UAE)
3) OINO, Yuhei (JPN)
3) MAKHMADBEKOV, Somon (TJK)
5) BOLTABOEV, Sharofiddin (UZB)
5) ZHUBANAZAR, Abylaikhan (KAZ)
7) GERELTUYA, Bolor-Ochir (MGL)
7) MASABIROV, Asad (KGZ)
優 勝:イ・ジョンファン(韓国)
準優勝:ヌグザリ・タタラシヴィリ(アラブ首長国連邦)
第三位:老野祐平(日本)、ソモン・マフマドベコフ(タジキスタン)
第五位:シャロフィディン・ボルタボエフ(ウズベキスタン)、アビライハン・ジューバナザル(カザフスタン)
第七位:ゲレルツヤ・ボロルオチル(モンゴル)、アサド・マサビロフ(キルギスタン)
【準々決勝】
イ・ジョンファン(韓国)○小外刈(0:12)△ゲレルツヤ・ボロルオチル(モンゴル)
アビライハン・ジューバナザル(カザフスタン)○GS技有・裏投(GS0:53)△老野祐平
シャロフィディン・ボルタボエフ(ウズベキスタン)○GS技有・浮落(GS1:04)△ソモン・マフマドベコフ(タジキスタン)
ヌグザリ・タタラシヴィリ(アラブ首長国連邦)○優勢[技有・肩車]△アサド・マサビロフ(キルギスタン)
【敗者復活戦】
老野祐平○合技[小外刈・小外刈](1:37)△ゲレルツヤ・ボロルオチル(モンゴル)
ソモン・マフマドベコフ(タジキスタン)○合技[大外刈・袈裟固](2:39)△アサド・マサビロフ(キルギスタン)
【準決勝】
イ・ジョンファン○GS背負投(GS0:11)△アビライハン・ジューバナザル
ヌグザリ・タタラシヴィリ○大内刈(2:22)△シャロフィディン・ボルタボエフ
【3位決定戦】
老野祐平○GS反則[指導3](GS1:06)△シャロフィディン・ボルタボエフ(ウズベキスタン)
ソモン・マフマドベコフ(タジキスタン)○合技[小外刈・横四方固](4:00)△アビライハン・ジューバナザル(カザフスタン)
【決勝】
イ・ジョンファン○優勢[技有・背負投]△ヌグザリ・タタラシヴィリ
【日本代表選手勝ち上がり】
老野祐平(旭化成) 成績:3位
【1回戦】老野祐平○小外刈(3:01)△ヌルベク・ムルトゾエフ(ウズベキスタン)
【2回戦】老野祐平○GS反則[指導3](GS0:46)△アスケルビー・ゲルベコフ(バーレーン)
【準々決勝】老野祐平△GS技有・裏投(GS0:53)○アビライハン・ジューバナザル(カザフスタン)
【敗者復活戦】老野祐平○合技[小外刈・小外刈](1:37)△ゲレルツヤ・ボロルオチル(モンゴル)
【3位決定戦】老野祐平○GS反則[指導3](GS1:06)△シャロフィディン・ボルタボエフ(ウズベキスタン)
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