【プレビュー】世界王者・嘉重春樺の国際大会6連勝なるか/グランドスラム東京2025 女子63kg級

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嘉重春樺
嘉重春樺

現役世界王者の嘉重春樺(ブイ・テクノロジー)はじめ、6月のブダペスト世界選手権で嘉重と決勝を争ったカトリーヌ・ブーシェマン=ピナール(カナダ)、2024年アブダビ世界選手権準優勝のアンジェリカ・シマンスカ(ポーランド)、ヨーロッパ選手権2連覇のレナタ・ザコワ(チェコ)と、階級のトップ層4人が参戦。

ここにギリ・シャリル(イスラエル)、ナウアナ・シウバ(ブラジル)、ラグワトゴー・エンフリーレン(モンゴル)、ルビアナ・ピオヴェサナ(オーストリア)、キム・チス(韓国)、ダリ・リルアシヴィリ(ロシア)らワールドツアーの上位常連選手、さらに山口葵良梨(パーク24)、青野南美(福岡県警察)、谷岡成美(日本エースサポート)ら国際大会でも実績のある日本勢3人が加わり、ハイレベルかつ見応えのあるトーナメントが組まれた。

最大の注目ポイントは、嘉重の国際大会連勝継続なるか。嘉重はデビュー戦だった昨年のグランドスラム東京以来、ブダペスト世界選手権も含め、出場した国際大会に無傷の5連勝中。異次元と評してよい寝技の決定力で、海外勢を蹂躙している。一方、組み手が厳しく寝技のレベルが高い国内の選手は比較的苦手としており、日本人選手が自身のほかに3人出場するグランドスラム東京は、まさに鬼門だ。嘉重は世界王者のため、今大会に優勝すると来年のバクー世界選手権の代表に内定することになる。他階級の状況を見る限り、この階級に2枠目が行使される可能性は僅か。他の3選手は必死で内定阻止を目指すとはずだ。海外勢にも徹底マークされていること必至。この包囲網を破ることが出来るのか、嘉重の真価が問われることになる。

とはいえ、組み合わせには恵まれており、同サイドで相性的に戦いにくい相手は、準決勝で対戦の可能性のある谷岡のみ。準々決勝の相手にはザコワが配されているが、ミスをしなければ問題なく勝利出来るはずだ。山口と青野、世界選手権の決勝で手を焼いたブーシェマン=ピナール、そして大会前のコメントで嘉重自身が名前を挙げたシマンスカは、いずれも逆サイド。相応に苦労はすると思われるが、決勝までの視界は開けている。

嘉重以外の日本勢3人はいずれもプール内に山場が設定された。

山口葵良梨
山口葵良梨

山口は、初戦(2回戦)でミナ・リベール(ベルギー)とリルアシヴィリの勝者、準々決勝でシウバとキムの勝者という組み合わせ。実力からすれば勝ち上がりが濃厚だが、準々決勝は決着までに相応に時間が掛かると思われる。丁寧な組み手を徹底し、寝技でもプレッシャーを掛けながら、じっくりと戦いたい。

青野は、2回戦でシマンスカ、準々決勝でブーシェマン=ピナールとシャリルの勝者という、最も厳しい山を引いた。特に潜り技で手数を積んでくるブーシェマン=ピナールは、二本持って勝負する正統派の青野にとって、相性の悪い相手。「指導」を先行されないよう、組み手の手順をスキップしての技や、崩し技も用いながら戦いたい。

唯一嘉重と同じサイドを引いた谷岡は、2回戦でピオヴェサナ、準々決勝でラグワトゴーと対戦予定。耐久力のあるラグワトゴーは厄介な相手だが、このフィールドの戦いは谷岡も苦手ではないはず。時間が掛かると割り切り、妥協せずに戦いたい。

【プールA】
第1シード:嘉重春樺(ブイ・テクノロジー)
有力選手:サヴィタ・ルッソ(イタリア)、ナタリア・クロプスカ(ポーランド)

第8シード:レナタ・ザコワ(チェコ)
有力選手:ケレム・プリモ(イスラエル)

【プールB】
第4シード:ルビアナ・ピオヴェサナ(オーストリア)
日本代表選手:谷岡成美(日本エースサポート)

第5シード:ラグワトゴー・エンフリーレン(モンゴル)

【プールC】
第2シード:カトリーヌ・ブーシェマン=ピナール(カナダ)
有力選手:ヒマンシ・トカス(インド)、ギリ・シャリル(イスラエル)

第7シード:アンジェリカ・シマンスカ(ポーランド)
日本代表選手:青野南美(福岡県警察)

【プールD】
第3シード:ナウアナ・シウバ(ブラジル)
有力選手:キム・チス(韓国)、フフースレン・アリウンツンガラグ(モンゴル)

第6シード:山口葵良梨(パーク24)
有力選手:ミナ・リベール(ベルギー)ダリ・リルアシヴィリ(ロシア)

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