文責:古田英毅・eJudo編集部
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グランドスラム・パリ2025、男子日本代表の「採点表」をお届けする。評価に際してもっとも重視するのは常の通り、「準備」と「実行」の2点。前者は「起こり得る状況に必要な手札を整備して自分の目的を果たすために駆使しているか」、後者は「持てる力を存分に発揮したかどうか」。
そして今回は若手中心の編成ゆえ当然といえば当然であるが、いったいに「準備」の項が厳しかった。国際大会で戦うにあたって己がぶつけるべきものは何か、どの武器が海外選手に効くのか、そもそも己はどのフィールドに生き残る道を見出すのか。ここに見立てを持てていない選手が多かったように感じる。経験値を考えればこれは致し方ないところ。そして国際大会ほぼ初参加の選手が国内モードをぶつけて散るのはもちろん「アリ」。壁のぶつかり方として正当である。ゆえにこの点は指摘のみに留めて、減点は最小限とした。
己の中に在る要素のうち、何を拡張して国際大会に臨むべきか。この発見と持続、そして再生産に必要なものは、これも毎回語っているが「自己理解」の高さ。得た課題を糧に己をしっかり見つめなおし、良い方向に柔道をデザインし直して欲しい。生き残っている選手は、皆この「長所のデザイン力」が高い。見習うべきだろう。
新ルール運用第1回の所見については稿をあらためて記したい。ルール絡みで1つだけ書くと、海外選手も含めた全選手の中で、もっとも新ルールをうまく使いこなしていたのは日本の大森生純。近年戦略・戦術の論理性の高さに唸らされることの多い選手であるが、今回はひときわ感心させられた。等身大の視点で新ルールを消化し、無理なく、そして効果的に利用していた。高い自己理解の賜物と評価したい。
男子日本代表採点表
60kg級
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