【eJudo’s EYE】「面白かった最重量級!技がある、手立てがある、投げ合う」「何がしたかったのかが読み取れない、太田彪雅はこの輪に混ざる資格なし」/ブダペスト世界柔道選手権2025 第7日男子「評」(100kg超級)

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文責:古田英毅
Text by Hideki Furuta

決勝ラウンドは好試合連発!技がある、手立てがある

優勝はイナル・タソエフが攫った

面白かった!ほんの15年前を考えてみて欲しい。最重量級の試合ってこんなに面白かったか?
皆、トップフォームだった。仕上げて来ていた。もともとしっかり投げる力があり、かつ状況判断に優れた選手ばかりの階級。「トップフォーム」、「投げる力がある」、「ドライな状況判断が出来る」。現行ルール下でこの3つの項が満たされものが揃うとどうなるか。まさに好試合連発だった。どちらかが先に取ると、当然ながらもう片方はリスク度外視で勝負に出る。投げる力があるので、最後の最後まで逆転の可能性がある。これで面白くならないわけがない。

特に決勝ラウンドを戦った6人は、全員素晴らしかった。

3位決定戦、テムル・ラヒモフがウシャンギ・コカウリから大外刈「一本」

まずテムル・ラヒモフ(タジキスタン)。戦型はオーソドックス、周囲に柔道自体が華やかなビッグネームが揃うこの階級にあっては比較的地味な存在なのだが、「線」で観察して今回もっとも面白かった選手かもしれない。かつて「相手(太田彪雅)はこれに弱いから」と突如背中抱きの横車を持ち込んで一発投げたあたりから、得意不得意に関わらず必要なことであればきちんと積み増すそのフラットな技術習得マインドに感心していたものだが、さらに、しっかり伸びていた。柔道の幅が広がったことでこのところ柔道も成績も安定、今回の銅メダルはその正当な帰結である。もともと足技の選手、そして「幅が広がった」ときに足技があるのはやはりいい。そしてやれることが増えたことで相手の安全域が減り、自分の柔道がやりやすくなった。3位決定戦、ウシャンギ・コカウリを真っ向から投げた逆転の大外刈「一本」には皆驚かされたと思うが、あれは新たに積み増した浮技が生きていた。コカウリはリードしていたが、度々浮技で振られたために腰を引いての防御が出来ず、背筋を伸ばして技を受け入れざるを得なくなっていた。積み増しがきちんと足し算・掛け算になっている。新たな技を積み増すことで、逆に本来の持ち味が生きるようになる。これは技術の枝の伸ばし方としては理想的。オーソドックススタイルのラヒモフがここまで成績を挙げていることには、やはり理由があるのである。

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