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現役世界王者のティムル・アルブゾフ(ロシア)が参戦。この選手を筆頭に、2021年世界選手権王者のマティアス・カッス(ベルギー)、パリ五輪銅メダリストのソモン・マフマドベコフ(タジキスタン)、フランソア・グーティエ=ドラパウ(カナダ)、ザウル・ドヴァラシヴィリ(ジョージア)、アスケルビー・ゲルベコフ(バーレーン)と、上位選手が多く顔を揃えた。

迎え撃つ日本勢は、短躯を利した独自の柔道で海外勢に相性抜群の北條嘉人(パーク24)に、昨年大会王者の藤原崇太郎(旭化成)、組み手と足技の連動が武器の老野祐平(旭化成)、オールラウンダーの天野開斗(東海大4年)という布陣。強さだけでなく、柔道が魅力的な4人が揃った。
優勝候補はアルブゾフ。崩れた体勢からでも粘って自らの投げに変換してしまう、「軟体動物」とでもいうべき異様な体の軟らかさと強靭な体幹が武器だ。それに加え、ロシアの若手世代らしく寝技の技術レベルも非常に高い。この選手を止める選手が現れるのかが、本トーナメントのメインテーマだ。
最初に挑むのは、準々決勝で対戦する北條。ともに似たタイプがいないオリジナリティの高いスタイルであり、どのような試合になるのかが想像しがたい。とはいえ、大枠ではアルブゾフが抱き、北條が懐内で投げを狙う構図となるはず。相手は投げたと思っても投げ返してくるバランスお化け。一発ではなく、左小外刈を起点に揺さぶりながら投げを狙いたい。
そして、この試合の勝者と準決勝で対戦するのが、老野とカッスの勝者。老野はまずカッスを乗り越えなければならない。実績、戦力ともにカッスが上だが、老野の組み手と足技の連携は通用するはず。ここで勝利し、壁を一つ越えたい。ポイントはカッスが手数に振った際の対処。老野は柔道で対話してくれる相手に対しては強い一方、自分のやりたいことを押し付けてくるタイプを苦手にしている。このモードになったカッスに対してどのように対処するかに注目したい。
一方、逆サイドは混戦。プールCでは天野とゲルベコフが2回戦を戦い、その勝者とグーティエ=ドラパウがベスト4を賭けて準々決勝を争う。実績面からの勝ち上がり候補はグーティエ=ドラパウながら、実力的には天野にもチャンスがあるはず。ゲルベコフ、グーティエ=ドラパウともに、組み際に間合いを詰められての一発に注意しつつ、早く二本を得て組み止めてしまいたい。
プールDに配された藤原はいきなり1回戦でマフマドベコフと対戦する厳しい配置を引いた。昨年大会段階ではアルブゾフに支釣込足「一本」で勝利するなど過去最高の仕上がり具合だった藤原だが、何らかの故障があったか、以降は急減速。再び徐々に調子を上げてきてはいるものの、まだ本調子のパフォーマンスは見せていない。マフマドベコフは生半可なコンディションでは倒せない強敵。藤原の底力が試されることになるだろう。なお、準々決勝でも難敵・ドヴァラシヴィリとの対戦が組まれているが、マフマドベコフに勝利出来るコンディションならば、この試合も問題なく乗り越えられるはずだ。
【プールA】
第1シード:ティムル・アルブゾフ(ロシア)
有力選手:アルチュール・マルジェリドン(カナダ)、ヴィンチェンツォ・ペリグラ(イタリア)
第8シード:北條嘉人(パーク24)
有力選手:ファブリツィウス・タルコフスキ(ポーランド)
【プールB】
第4シード:マティアス・カッス(ベルギー)
有力選手:ガジダヴド・ガサノフ(バーレーン)、ベフルジ・ホジャゾダ(タジキスタン)
第5シード:老野祐平(旭化成)
【プールC】
第2シード:フランソア・グーティエ=ドラパウ(カナダ)
有力選手:シモン・スリク(ポーランド)
第7シード:アスケルビー・ゲルベコフ(バーレーン)
有力選手:アダム・ツェチョエフ(ロシア)
日本代表選手:天野開斗(東海大4年)
【プールD】
第3シード:ソモン・マフマドベコフ(タジキスタン)
日本代表選手:藤原崇太郎(旭化成)
第6シード:ザウル・ドヴァラシヴィリ(ジョージア)
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