【談話】「国士舘総出で勝った大会、流れを引き寄せたのは『我慢』と『覚悟』」国士舘高・百瀬晃士監督/第71回インターハイ柔道競技男子団体試合

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男子団体試合で優勝した国士舘高の百瀬晃士監督。写真は優勝決定直後、試合終了の「礼」を待つ。

―― おめでとうございます。

もう、くたびれました(笑)。3年生代は中学時代に埼玉栄さんと東海大相模さんが強く、日本一になれなかった代。金鷲旗もあと一歩届かず、まだ少し差があるのかなと思いましたが、よくやってくれました。OBも含めて、国士舘総出で勝った大会だと思います。

―― 勝ちのポイント、今大会の評価など。

高校生なので、良いところも悪いところも出る。本番で出た目はどちらも「半々」でした。その中で今回のテーマだった「覚悟と我慢」が良く出来た。eJudoさんには今年ずっと「日替わりヒーローで持って来たチーム」と書いて頂いていましたけど、いままで出来なかった選手の「我慢」が出来たがゆえ、この「日替わりヒーロー」が出て来る形が最後まで継続出来ました。大きく見るとそれが勝因かと思います。

―― 先鋒に入れた若崎喜志選手が決勝で大仕事をしました。新人戦期から5番手、6番手の位置が多かった選手ですが、6月の段階で「インターハイは若崎に仕事をしてもらう」と明言していましたね。

強いのですが気持ちが優しい。なかなか本領を発揮出来なかったのですが、どこかで必ず力を出してくれると信じていました。また若崎先鋒に限らず、配列順については、試合が増えて、都予選や金鷲旗など厳しい戦いを経験することが出来て、適性がわかってきたことが大きい。スロースターターが多いチームなのですが、例えば金鷲旗を経て、今回補欠に取り置いていた唐木(康大)は前より後で働くタイプの選手であることがわかった。そうするともう若崎は最後まで行ってもらうしかない(※決勝は先鋒若崎、副将澤谷魁人に代えて唐木を投入)。こういう事情もあって、若崎本人が肚を括れましたね。ここは「覚悟と我慢」の「覚悟」の部分ですね。

―― 全国高校選手権は、第1シードを得ながらコロナウイルス陽性者発生のため、直前で欠場となりました。

ダメなものはダメ、とすぐに判断したのは自分なのですが、意外と私自身が引きずってしまっていた。生徒の方はもちろん物凄く落ち込んではいましたが、割合すぐに切り替えられました。これはのっけの「国士舘総出」という話とも絡むんですが、欠場が決まって2,3日後に、鈴木(桂治)先生が来て下さったことが大きいんですよ。生徒を教室に集めて、話をしてくださいました。生徒が落ち込んでいるまさにど真ん中ですから、少し慰めてくれるのかなという期待があったんですが、全然そんな話ではなかった(笑)。どちらかというと「甘えるんじゃないよ」という話でした。「出ても勝てたかどうかわかんないぞ、夏に勝って証明するしかないんだよ」と。あれで生徒が切り替えられました。挑戦する姿勢になれた。戦うことすら許されなかった彼らですが、その言葉の通りに、この夏本当に力を証明してくれた。なんとかここまでやって来れて、ホッとしています。

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