男子100kg超級 斉藤立(国士舘大3年) 2位
【2回戦】斉藤立○GS大外刈(GS3:22)△ユール・スパイカース(オランダ)
斉藤が左、スパイカース右組みのケンカ四つ。斉藤は引き手で袖口付近を持つことをベースに試合を進めるが、これは担ぎ技の手数で「指導」を狙う手をスパイカースの好餌。回転を止められず、左背負投、右背負投、右背負投と先手攻撃を許す。スパイカースは引き手で襟を持ち、ゆえに容易に袖を持ち返せることもあって斉藤はこの組み手を改められず。主審がスパイカースの技を有効打とみなさなかったか「指導」失陥は免れるが、立て続けに先手攻撃を許す良くない流れ。それでも深いところを持つと技が効く。1分22秒に引き手で上腕を持っての左大内刈で追い込み、2分46秒には引き手で腋を掴んだ形を起点に左体落と崩し潰す。直後スパイカースに「指導」。しかし戦況は変わらず、3分8秒に仕掛けた左内股も引き手袖口で空間が余り、投げ切れない。終盤、スパイカースが引き手で襟、斉藤が袖口を掴み返し、スパイカースが一本背負投形の大内刈で潰れるというこの試合を象徴するような攻防あって、その後残り5秒斉藤に1つ目の「指導」。試合はGS延長戦へ。
斉藤が迫ると、スパイカース左背負投に潰れてGS延長戦21秒、偽装攻撃の「指導2」。しかし斉藤が袖口を抑えるとスパイカースは担ぎ技に大内刈と打ち続け、斉藤の大内刈による突進も内股に潰れて己が攻める形で展開を終える。GS延長戦1分33秒、組み手を争った斉藤に「取り組まない」咎で「指導2」
あと1つの「指導」でゴールというところまで勝利のハードルを下げたスパイカースは両襟であおり、反則を狙う挙に出る。斉藤の頭に柔道衣が被って試合が止まること2度。斉藤は大外刈に内股巻込は放つがやはり引き手が浅く、空間が潰せない。斉藤、スパイカースがGS2分55秒に放った組み際の大内刈は弾き飛ばすが、消耗激しく、続けて放った左体落は自ら潰れてしまう。
しかし直後の組み際、釣り手を奥襟に入れながら左大外刈を仕掛けるとこの試合初めてまともに力が伝わり、スパイカース吹っ飛んで「一本」。しっかり組み手を作って仕掛けることで停滞したこれまでと変え、掛けながら組んだことで解決した。
しかし万全の出だしとは言い難し。もともと担ぎ技による「指導」奪取が得意な相手に引き手で袖口を掴み続けて展開を失い、相手の意図が明らかになった後もこれを修正出来なかった。そして消耗し、相手の勝利へのハードルを大きく下げてしまう。プランも展開も負け試合。試合中に考え、自ら立て直せるはずの斉藤らしからぬ内容。本人の緊張は割り引く必要はあるが、ゲームプランとベンチワークに問題を感じさせた一番だった。
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