戦評:古田英毅
Text by Hideki Furuta
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52kg級 武田亮子(コマツ) 2位
【2回戦】武田亮子〇肩固(3:50)△アナ・ペレス=ボックス(スペイン)
ともに左組みの相四つ。手先の突き合いからペレス=ボックスが両袖を抑え、先んじて左一本背負投。これは掛け潰れ、武田は横変形から左大外落で反撃もこちらも手が残って相手を立たせたまま自らが座り込んでしまう。直後の1分14秒、主審はペレス=ボックスの側に偽装攻撃の「指導」。手先の組み手争いから交互に担ぎ技を掛け潰れる展開は以後も続くが、2分を回ったところで武田が離れたまま左出足払を当てるとペレス=ボックス大きく崩れ、武田素早く食いついて寝技を展開。首を抱いたまま絡まれた足を引き抜こうとするが、30秒以上の攻防の末果たせぬまま「待て」。またもや担ぎ技で交互に座り込む展開となり、そして前段と同じく先手を取るのはペレス=ボックスの側。しかし3分4秒、主審はペレス=ボックスの片襟の右背負投にふたたび偽装攻撃の「指導」を宣告。武田は足技に手ごたえを感じたか、離れたまま払い技で蹴り崩す。この左「小内払い」にペレス=ボックスがドウと崩れるとすばやく食いつき、首を抱えて脚を引き抜きに掛かる。今回は初動が速かったぶん展開にアドバンテージあり、左に降りて肩固で抑え込み「一本」。
潰れてもすぐさま戻って突進を繰り返す武田の「戻り」の速さにペレス=ボックスが戸惑っているうちに試合が終わったという印象だった。
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