【プレビュー】7連覇狙う日本が優勝候補/アブダビ世界選手権2024 男女混合団体戦

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最終日は男女混合団体戦が行われる。優勝候補筆頭は日本。
下記にまず「ルール」、そして「男女混合団体戦ならではのみどころ」、さらに今大会の「プレビュー」と選手リストを記す。

男女混合団体戦ルール

ルールを簡単にまとめておく。

競技方式
・6人制。選手の並びは基本的に体重順で、試合順はラウンドごとに変更する。1ポジションずつ前にずれ、1試合目を行った階級は、次のラウンドでは6試合目となる。(例:1回戦は73kg級から、2回戦は57kg級から)
・ルールは個人戦と同じ。試合時間は本戦4分。「引き分け」はなく、GS延長戦まで行い、必ず勝敗を決する。

エントリー条件、シードの決定方法
・6人全員を揃えられるチームのみエントリー可。競技中の負傷や病気により「欠」が出た場合は、最低4名までで試合出場が可能。
・エントリー可能な人数は最大12名。男女3名ずつの6名に加え、補欠選手6名(同じく男子3名、女子3名)。
・本来の階級の1階級上まで出場可。
・個人戦に出場した選手は、プラス5%までの増量が認められる。団体戦のみの選手は規定通り。個人戦で行われている、試合1時間前のランダム抽出計量は行わない。1階級上にエントリーした選手の計量は行わない。
・シードチームは「団体戦ワールドランキング」上位4チームとする。

勝敗の決定方法
・チームの試合が決した(4点先取)時点で試合終了、以後の試合は行われない。
・出場選手は、チームが勝利するまで競技を行うことが義務付けられる。もし選手が出場を拒否した場合、チーム自体が失格となる。
・勝利数が並んだ場合(3-3)、代表戦を行う。カードは抽選で1試合を選んでの再戦。この際、片方のチームに「欠」があるかどうかは考慮されない(「欠」の」ポジションが選ばれた場合は不戦敗となる)。両者欠場のカードがあった場合は、抽選対象から除く。
・「欠」がある場合は、試合開始の時点でスコアに反映される。
・片方に「欠」がある場合は、相手チームに1点付与(例:1-0)
・異なる階級で「欠」がある場合は、双方のチームに1点付与(例:1-1)
・同じ階級で「欠」がある場合は、双方得点なし(0-0。この場合試合終了の条件は3点先取となる)

男女混合団体戦ならではの見どころ

「男女混合団体戦ならではのみどころ」を挙げておく。日本の団体戦とは異なる面白さ、このレギュレーションならではの旨味が存在する。

階級の異なる選手同士の戦い
男女混合団体戦は出場枠にある程度の体重の差が設けられているため、普段ならば対戦することのない夢の対戦が組まれることが多々ある。例えば東京五輪決勝の新井千鶴とクラリス・アグベニュー(フランス)による階級を越えた世界王者対決など、普段ならば決して見ることのできない夢の対戦が、それも本気の勝負として見られるのだ。それ以外にも、選手を集め切れない国の選手が上の階級の選手を相手に熱戦を繰り広げる、下の階級のメダリストが上の階級の中堅選手に敗れる、上位選手を相手に意外な適性を見せる選手がいるなど、この階級ミックスによって生まれる効果は多い。

番狂わせの多さ
男女混合団体戦は最終日に行われるため、個人戦に出場した選手、そして日程が近い思い階級の選手ほど疲労が溜まっていて力を発揮できない傾向がある。もちろん上位まで勝ち上がって試合数をこなした選手のほうがダメージの蓄積は大きく、つまり上位進出者が多い強国のほうがこのリスクに晒される可能性が高い。よって、階級が下の選手が勝利したり、常の世界大会では考えられない番狂わせが起きたりすることも多いのだ。個人戦で不本意な結果に終わった選手のリベンジ劇はもはやおなじみの光景。今大会も常ならば考えられない、会場驚かす番狂わせが見られるのではないだろうか。

次代の有望株の発掘
強豪国は団体戦のみのメンバーとして若手の有望株を起用することが多い。過去この枠から出世を遂げた強豪は、ミハイル・イゴルニコフ(中立選手団・90kg級)やホマーヌ・ディッコ(フランス・78kg超級)など枚挙に暇がない。各国の「ツアーで見慣れぬ選手」の活躍こそ団体戦の旨味。ここに注目しての観戦はかなり楽しめるだろう。

応援合戦や選手のキャラクターの深堀り
各国チームの意外なチームワークの高さや応援合戦(2019年東京世界選手権のポルトガルチームは両方の面で白眉であった)も面白い。選手個々のキャラクターが見えやすいし、個人戦とは違うお祭り感はそれ自体が楽しい。

団体戦ゆえの駆け引き
国内のファンには、「引き分けがないのであれば団体戦独自の駆け引きは存在しないのではないか」と誤解されがちだが、決してそんなことはない。前方の得点源が負けてしまったから勝つしかない、相手の得点源に回る前に試合を決めねばならないなど、チームの事情で選手の振舞いがまったく変わってしまうことなどは、国内の団体戦とまったく同じ。これに加えて、4勝が確定した時点で試合が終了するルール、「ラウンドごとに試合順がずれていく」レギュレーションがたとえば「後衛に回っている選手を休ませるために4人で試合を終わらせたい」思惑、あるいは逆に「得点源の選手が後衛に回ってしまっているからどうしても相手に先行された状態を受け入れて戦わねばならない」状況を生む。前述の「番狂わせの多さ」や勝敗の読み難い「階級を越えた対戦」など、状況を撹拌する装置も豊富。相性を考慮してあえて下の階級の選手をぶつけることや、73kg級や90kg級など枠の区切りにいる選手は上下どちらのポジションでも出場することができるため、同一階級の強豪2名のどちらを上の階級に出すかなどの「駆け引きも」存在する。かなり戦略的であり、ドラマも豊富な戦いなのだ。

女子の強化の推進
この男女団体戦の創設によって女子の強化に力を入れる国が増加した。かつての男子団体戦の強豪ジョージアなどは典型的なケース。アゼルバイジャンやトルコなど、シニアではまだ選手を揃え切れていないチームもあるが、ジュニア世代では続々と有望株が登場している。

有力チームの配置、各プールのひとこと展望は下記。組み合わせは公式サイトを確認のこと。

組み合わせ

プレビュー

(エントリー13チーム)

今大会はパリ五輪直前ということもあり、各国が選手の怪我や疲労の回避を優先。出場チーム数が13と、昨年から大きく減った(昨年は18)。また、個人戦に出場した国内一番手を起用していないチームも多い。

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