学生カテゴリの新設大会「全日本学生柔道 YAWARA Challenge Tournament」が14日に開幕。男子のWinter Challenge Tournament(旧「体育系大会」)に呼応する形で新設された、女子だけの大会だ。講道館杯を頂点とする国内チャンピオンシップがすべて終わり、本来オフシーズンであるこの時期を敢えて選んで行われる巨大大会。大会創設の目的や経緯を、企画当初から関わった大会実行委員長・松田基子氏(大阪体育大)にお聞きした。
聞き手・古田英毅
松田基子実行委員長「選手の、審判の、そして女性の『チャレンジ』大会」
――大会の目当ては
女子学生選手の育成と、普及が大きな目的です。まずは、機会を増やすこと。トップレベルで活躍する学生たちは物凄く大会が多く、力を試す機会にも恵まれるんですけど、実はその人数はかなり限られます。過密日程を戦い続けるトップ選手の一方で、ほとんど試合がない学生もいる。部員数の多い強豪チームであれば、部内予選を勝ち上がらないとまず試合にすら出ることが許されない。そこそこの力を持っていながらも、戦う機会自体がないという学生がたくさんいるんです。毎日同じように苦しい練習をしていながら、それを披露する場がない。何を目的に頑張るのかが、なかなか見えない。いくら柔道が好きだといっても、この状態でモチベーションを上げることはなかなか難しいのではないかと思います。また、逆に選手数が少ないチームでは団体戦に出られず、地区によっては試合の機会が本当に年1回、2回あるかないかというケースもある。そういう学生たちの励みになる、大きな大会を作りたいという思いがまず第一です。もうひとつは、学生たちがこういう大会を経験することが、卒業した後の柔道との関わりに良い意味で大きく影響を与えてくれるはず、ということです。いまの学生柔道連盟が重視する育成、普及という観点にも叶い、単に大会を1つ増やすという以上の意味があると考えています。
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