【レポート】今年も「ID柔道大会」開催、67選手が熱戦繰り広げる

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取材・文:本川由依・eJudo編集部
写真:乾晋也

開会式を待つ選手たち

全日本柔道連盟が主催する第6回全日本ID(知的障がい者)柔道大会が、9月7日に、日本文化大學立志館(東京都八王子市)で開催された。

2017年にドイツで世界知的障がい者柔道選手権大会が行われたことをきっかけに設立されたこの大会。今年は男女合わせて全国から67選手が参加した。

大会はリーグ戦で実施。体重や性別のほか、大会前日の6日に実施された交流練習会で選手の体力、運動能力、試合の理解、危険の予測、相手の動作予測、柔道技能などを主催者が見極め、24の組に振り分けた。

開会式では教育普及・MIND委員会の高橋進委員長が開会宣言を行い、全日本柔道連盟の中村真一会長があいさつ。中村会長は「私たちは『柔道for All』の精神を持って取り組んでいます。選手のみなさんはID柔道のルールを守り、相手を思いやる気持ちを忘れず、何より大いに柔道を楽しんでください」と言葉をかけた。挨拶の際には聴覚障がい者にも配慮し、同時に手話通訳も行われた。

挨拶する中村会長。奥では手話通訳者が同時通訳を行っている。

その後、今回で5回目の参加となる7選手を支えているボランティアの方々に向けて、長年、選手をサポートしてきたことに対して功績を称える「サポーター賞」が送られた。

「サポーター賞」授与

試合ルールは前回までと同様。IJFルールと世界大会のルールに、全日本柔道連盟が独自の工夫を加えて構成した独自ルールを採用した。安全性に最大限配慮し、「膝を着いて技を施すこと」「技を仕掛けたあとに相手の上に乗り掛かること」「後襟を握ること」「寝技で頸部を圧迫するような技・動作」「関節技・絞技」などを禁じている。参加者は、日頃からこのルールを意識して柔道の稽古に励んでおり、試合では互いに背筋を伸ばして組み合い、動きの中で相手を崩し、立ったまま相手を投げ、手を引き上げて受け身をフォローし合うといった、ID柔道ならではの綺麗な柔道が繰り広げられた。

豪快な大外刈「一本」が決まった
体落「技あり」。相手に覆いかぶさらず、しっかり残身を取ることで安全面にも配慮する。
崩袈裟固「技あり」。抑え込むときも頭部や頸部に圧力をかけるのは禁止。袈裟固など、首部分を抱え込む抑込技を施した場合などは「待て」となる。
大外刈「技あり」。崩しながらここぞという場面で力を込めて投げる。勢いがあっても最後は覆い被らないことも大切だ。

試合入退場の際には、ボランティアがアテンド。退場する際には「次はいつ試合ですからね」といった声かけを行う。

試合場までボランティアがアテンド

反則や技が無効になった際の宣告はジェスチャーだけではなく、口頭で丁寧に説明され、選手の理解を得た上で試合が続行される。技が決まったり、試合が終わったりするたびに会場にいる全員が拍手を送るなど、これまで同様、会場は終始ハートフルな空気に包まれていた。

大会は盛会のうちに終了。試合結果を踏まえ、ID柔道強化選手の選抜が行われる。

各リーグの入賞者は下記。

【Aリーグ】

優 勝:近藤晋矢(土曜柔道会)
準優勝:大底和雅(八重山柔道スポーツ少年団)※表彰式は欠席
第三位:池田祐一(わらしべ会)

【Bリーグ】

優 勝:竹内雄璃(小見川道場)
準優勝:髙部勇翔(濵名道場)
第三位:竹井優斗(葵陽塾)

優 勝:竹内雄璃(小見川道場)
準優勝:髙部勇翔(濵名道場)
第三位:竹井優斗(葵陽塾)

【Cリーグ】

優 勝:久保和也(日本体育大学附属高等支援学校)
準優勝:伊藤楓汰(日本体育大学附属高等支援学校)
第三位:山本究(谷和原柔道部)

優 勝:久保和也(日本体育大学附属高等支援学校)
準優勝:伊藤楓汰(日本体育大学附属高等支援学校)
第三位:山本究(谷和原柔道部)

【Dリーグ】

優 勝:堤経一朗(わらしべ会)
準優勝:猿田望(教道館)
第三位:藤本一秀(えびばで柔道クラブ)

優 勝:堤経一朗(わらしべ会)
準優勝:猿田望(教道館)
第三位:藤本一秀(えびばで柔道クラブ)

【Eリーグ】

優 勝:友安隼世(福柔会) 準優勝:小林陸(濵名道場) 第三位:池垣仁喜(志茂柔道クラブ)優 勝:友安隼世(福柔会) 準優勝:小林陸(濵名道場) 第三位:池垣仁喜(志茂柔道クラブ)

優 勝:友安隼世(福柔会)
準優勝:小林陸(濵名道場)
第三位:池垣仁喜(志茂柔道クラブ)

【Fリーグ】

優 勝:外山岳(河芸柔道クラブ)
準優勝:小齋恭吾(仙台市武道館)
第三位:中村貴斗(大江建設工業)

優 勝:外山岳(河芸柔道クラブ)
準優勝:小齋恭吾(仙台市武道館)
第三位:中村貴斗(大江建設工業)

【Gリーグ】

優 勝:宮崎颯人(えびばで柔道クラブ)
準優勝:伊藤汎輝(えびばで柔道クラブ)
第三位:藤浪智矢(しずはたスポーツクラブ)

優 勝:宮崎颯人(えびばで柔道クラブ)
準優勝:伊藤汎輝(えびばで柔道クラブ)
第三位:藤浪智矢(しずはたスポーツクラブ)

【Hリーグ】

優 勝:曽根柚希(綾瀬市柔道協会)
準優勝:飯塚京美(ユニバーサル柔道アカデミー島根)
第三位:樋口綾子(やわら道場)

優 勝:曽根柚希(綾瀬市柔道協会)
準優勝:飯塚京美(ユニバーサル柔道アカデミー島根)
第三位:樋口綾子(やわら道場)

【Iリーグ】

優 勝:伊藤嶺(日本体育大学附属高等支援学校)
準優勝:鈴木健人(協和道場)
第三位:發知優斗(横浜国大柔友会)

優 勝:伊藤嶺(日本体育大学附属高等支援学校)
準優勝:鈴木健人(協和道場)
第三位:發知優斗(横浜国大柔友会)

【Jリーグ】

優 勝:宝正愛歩(ユニバーサル柔道アカデミー島根)
準優勝:小澤涼子(やわら道場)

優 勝:宝正愛歩(ユニバーサル柔道アカデミー島根)
準優勝:小澤涼子(やわら道場)

【Kリーグ】

優 勝:竹上公明子(名古屋介護系柔道部)
準優勝:濱屋奈津実(えびばで柔道クラブ)

優 勝:竹上公明子(名古屋介護系柔道部)
準優勝:濱屋奈津実(えびばで柔道クラブ)

【Lリーグ】

優 勝:佐藤雅(戴星学園クラブ)
準優勝:木村彩乃(名古屋介護系柔道部)
第三位:山﨑真江(しずはたスポーツクラブ)

優 勝:佐藤雅(戴星学園クラブ)
準優勝:木村彩乃(名古屋介護系柔道部)
第三位:山﨑真江(しずはたスポーツクラブ)

【Mリーグ】

優 勝:川向駿翔(日本体育大学付属高等支援学校)
準優勝:山田英太(福柔会)
第三位:鎌田凌嘉(日本体育大学附属高等支援学校)
敢闘賞:和田幸大(千葉市立養護学校高等部)

優 勝:川向駿翔(日本体育大学付属高等支援学校)
準優勝:山田英太(福柔会)
第三位:鎌田凌嘉(日本体育大学附属高等支援学校)
敢闘賞:和田幸大(千葉市立養護学校高等部)

【Nリーグ】

優 勝:福田歩美也(海老名市柔道協会)
準優勝:近藤優樹(名古屋介護系柔道部)
第三位:宮﨑翔生(洗心館)

優 勝:福田歩美也(海老名市柔道協会)
準優勝:近藤優樹(名古屋介護系柔道部)
第三位:宮﨑翔生(洗心館)

【Oリーグ】

優 勝:佐藤葵(SOU)
準優勝:濵田王子朗(土曜柔道会)
第三位:神部仰太(日本体育大学付属高等支援学校)

優 勝:佐藤葵(SOU)
準優勝:濵田王子朗(土曜柔道会)
第三位:神部仰太(日本体育大学付属高等支援学校)

【Pリーグ】

優 勝:棟方水月(えびばで柔道クラブ)
準優勝:宮田士勇司(やわら道場)
第三位:松田尚(濵名道場)

優 勝:棟方水月(えびばで柔道クラブ)
準優勝:宮田士勇司(やわら道場)
第三位:松田尚(濵名道場)

【Qリーグ】

優 勝:長谷川大智(濱名道場)
準優勝:沖田一馬(えびばで柔道クラブ)
第三位:小野力(わらしべ会)

優 勝:長谷川大智(濱名道場)
準優勝:沖田一馬(えびばで柔道クラブ)
第三位:小野力(わらしべ会)

【Rリーグ】

優 勝:片岡悠斗(やわら道場)
準優勝:榊原大冴(豊田市柔道会)
第三位:中川龍(八街柔道を学ぶ会スポーツ少年団)

優 勝:片岡悠斗(やわら道場)
準優勝:榊原大冴(豊田市柔道会)
第三位:中川龍(八街柔道を学ぶ会スポーツ少年団)

【Sリーグ】

優 勝:吉田康太郎(田辺柔道教室)
準優勝:小泉裕(明生館道場)
第三位:外山希(えびばで柔道クラブ)

優 勝:吉田康太郎(田辺柔道教室)
準優勝:小泉裕(明生館道場)
第三位:外山希(えびばで柔道クラブ)

【Tリーグ】

優 勝:後藤光幸(やわら道場)
準優勝:播侑哉(えびばで柔道クラブ)
第三位:増渕孝太(葵陽塾)

優 勝:後藤光幸(やわら道場)
準優勝:播侑哉(えびばで柔道クラブ)
第三位:増渕孝太(葵陽塾)

【Uリーグ】

優 勝:篠原航海(葵陽塾)
準優勝:石井音弥(横浜国立大学柔友会)

優 勝:篠原航海(葵陽塾)
準優勝:石井音弥(横浜国立大学柔友会)

【Vリーグ】

優 勝:重安猛司(新庄柔道クラブ)
準優勝:市川剛士(やわら道場)

優 勝:重安猛司(新庄柔道クラブ)
準優勝:市川剛士(やわら道場)

【Wリーグ】

優 勝:櫻井ひより(福岡県立朝倉光陽高等学校)
準優勝:武田春佳(やわら道場)

優 勝:櫻井ひより(福岡県立朝倉光陽高等学校)
準優勝:武田春佳(やわら道場)

【Xリーグ】

優 勝:桃園愛華(土曜柔道会)
準優勝:岸野文音(光真道場)

優 勝:桃園愛華(土曜柔道会)
準優勝:岸野文音(光真道場)

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