①「大会のみどころ・注目選手」/令和8年全日本柔道選手権大会・予想座談会

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令和8年全日本柔道選手権大会・予想座談会
座談会メンバー。左から垣田恭兵、オブザーバーの林毅、朝飛大、司会の古田英毅。

令和8年全日本柔道選手権大会の開幕が、いよいよ来週末に迫った。今年の陣容も非常に贅沢、オリンピック翌年でスター勢揃いだった昨年度大会に負けず劣らずの豪華メンバーとなった。世界選手権の時期が10月にずれたことも挑戦を後押し、まず体重別世界のスターたちが「今年しかない」とばかりに大量参戦。90kg級の村尾三四郎(JESエレベーター)、66kg級の武岡毅(パーク24)、60kg級の永山竜樹(パーク24)と3人の現役世界王者が特別推薦選手として、さらに90kg級のもと世界王者田嶋剛希(パーク24)、100kg級の銀メダリスト新井道大(東海大4年)が予選を勝ち抜いてトーナメントに名を連ねた。迎え撃つ重量級選手も、連覇を狙う香川大吾(ALSOK)、またもや1年間雌伏し全日本選手権1大会に賭けてきた原沢久喜(長府工産)、初の世界選手権個人代表を決めたばかりの中野寛太(旭化成)、昨年の日本代表・太田彪雅(旭化成)と優勝経験者4人が揃い踏み。まさに「役者が揃った」感がある。

eJudoでは本番を前に、今年も恒例の「予想座談会」を実施。今回も1回戦から決勝まで全試合の結果を大胆に予想し、みどころを語り合った。読み終わればすべての選手に感情移入、一段も二段も深く全日本を楽しめること請け合いである。勝ち負けの「外れ」は織り込み済み。全日本を楽しみ尽くすガイドとして存分にお楽しみ頂きたい。

※座談会は4月8日と10日にオンラインで開催されました。

令和8年大会を占う

古田 今年も恒例の全日本柔道選手権・予想座談会を開催いたします。皆さま、宜しくお願いいたします。

朝飛 垣田 林 よろしくお願いします。

古田 読者の皆さんは既によくご存じと思いますが、今年参加されるお三方を簡単に紹介させて頂きます。

朝飛大: 朝飛道場館長、慶應義塾大学師範。日本を代表する指導者であり、少年柔道指導の第一人者。自身も昭和60年大会に出場、世界選手権100kg級の覇者羽賀龍之介をはじめ多くの教え子を全日本選手権の場に送り込んでいる。。

古田 朝飛大先生は日本を代表する指導者で、全日本選手権にも多くの選手を送り込まれています。教え子の羽賀龍之介選手は令和2年大会で優勝、令和3年大会で準優勝、そして令和5年大会でも決勝に進んだ「令和の全日本」を牽引してきた選手です。そしてご自身、さらにお父様の朝飛速夫氏もかつてこの大会に出場しており、ひときわ「全日本」に縁と思い入れの濃いかたでもあります。

朝飛 今回も宜しくお願いいたします。

古田 今回も楽しいトーク、期待しております。存分に語って頂ければと思います。

垣田恭兵:近畿大卒、旭化成所属。高校3年時にインターハイと全日本ジュニア81kg級で優勝。実業団所属後も81kg級、90kg級、100kg級の3階級で全日本実業個人選手権を制するなどトップ選手として一線で戦い続けた。100kg級では講道館杯で3位3回、2022年には全日本選抜体重別選手権で3位入賞。全日本選手権には9度出場し、2度ベスト4に進んでいる。2022年秋、34歳で現役引退を表明。

古田 そして4年連続、今回も垣田恭兵さんをお招きさせていただきました。垣田さん、宜しくお願いします。

垣田 宜しくお願いします。

古田 垣田さんは旭化成所属。平成25(2013)年大会、25歳での初出場を皮切りにこの大会に9度出場し、平成25年大会と令和3(2021)年大会ではみごとベスト4まで勝ち進んでいます。記録だけでなく、「記憶」に残るタイプの全日本戦士。史上に特筆さるるべき業師であり、勝負師であり、戦略家でした。選手目線での血の通った解説にも大いに期待したいと思います。

古田 そして今回はオブザーバーとして、ひさびさ、林毅さんにご参加をお願いいたしました。林さん、宜しくお願いします。

林毅:もと「近代柔道」誌編集責任者。昭和63年大会以来全日本選手権の現場を直接取材し続け、公式プログラムの編集にも30年以上携わっている。書籍「激闘の轍・全日本柔道選手権大会60年の歩み」では企画・編集を務めた。

林 宜しくお願いします。

古田 林さんはもと「近代柔道」誌編集責任者で、全日本選手権の取材歴は斉藤仁さんがソウル五輪代表を決めた昭和63(1988)年大会以来で、つまり実に37年。また、全日本選手権のプログラムの製作に30年にわたって携わっておられます。柔道ファンの皆様はよくご存じと思いますが、全日本選手権のプログラムは他の大会とは一線を画する、それ自体が雑誌として成り立つくらいの濃い読み物。有力選手インタビュー、予想座談会、かつての名選手へのインタビュー、硬派な技術コラム、地区予選結果など、私も毎大会、試合が始まるまでのひと時、これを読ませて頂くことをとても楽しみにしています。今回も出場選手に直接取材をされておりますので、可能な範囲で、そちらの情報も交えながら私たちの見立てを助けて頂ければと。

林 僭越ですが、一生懸命やらせていただきます。

古田 いつもの通り、楽しくやりましょう!ぜひよろしくお願いいたします。

古田英毅 (eJudo編集長)
古田英毅:柔道専門メディアeJudo編集長。現在は国際柔道連盟「JUDOTV」日本語チャンネルの実況・解説も務める。全日本柔道選手権でも令和2年大会から5年大会まで公式LIVE中継の解説を務めた。

令和8年大会の「みどころ」

日本武道館_全日本柔道選手権_開会式_
昨年度大会の開会式

古田 見どころ、令和8年大会に掛ける期待ということで、まず朝飛先生の方から一言頂いてもよろしいでしょうか。

朝飛 役者が揃いましたね。まず各地方のこれぞの有力選手が怪我なく、皆揃って出場してきたということが一つ。それから推薦選手をはじめとする、世界で活躍する選手がずらり参加する、この豪華さですね。世界チャンピオンが村尾三四郎選手、それから66kg級の武岡毅選手、永山竜樹選手と3人。さらに100kg級銀メダリストの新井道大選手も予選を勝ち上がって出場します。レベルが高い。しかも早い段階から、他の大会であればそれが最大の目玉となるようなカードが次々現れます。見ごたえ多く、優勝者を予想しづらい大会だなと、ワクワクしております。

古田 ありがとうございます。今年は世界選手権の開催時期が変わって、昨年までの春からまず夏へ、さらに10月へと日程が大きく動きました。さらに先月、最終選考会を待たずしてかなりの階級で世界選手権代表が決定。調整期間に余裕が出来て、怪我の心配が少なくなった。こういった事情も、彼ら体重別のスーパースターたちの挑戦を後押しした形となりましたね。きっと思い切った試合を見せてくれるものと期待したいですね。続きまして、垣田さんお願いいたします。

垣田 朝飛先生がおっしゃったように、各地方の有力選手というか「この選手だろうな」みたいな位置の選手が軒並み顔を揃えていることがまずひとつ。推薦選手も豪華で、非常に分厚い、魅力的なトーナメントになったと思っています。そしてざっと見たところ、それぞれみんながストロングポイントを持っている、「何かやってくれるのではないか」という選手ばかりなのが大きな特徴。そのあたりも皆さんとお話しながら、情報交換しながら、進めていければと思っております。

古田 ありがとうございます。おっしゃるとおり、単に強い弱いという力関係で語られる選手ではなく、一芸に尖りのある選手が非常に多いなと私も思っています。最近のルールに基づいて、いまの柔道競技では耐久型ではなく攻撃型が相対的に優位であることが背景にあると思うのですが、これを「無差別」「地方予選あり」という全日本らしい背景、今年うまく嵌った「日程」などの事情が後押し。多様性のある、それも一癖ある人材ばかりが揃いました。予定調和に収まらない、かつての全日本にあった「風雲」の気配を濃く感じているところです。・・・オブザーバーの林さん、見どころのところで何かひとこと、ぜひお願いします。

林 有力選手がいい具合に散らばっていますね。

古田 お、組み合わせですね。

令和8年全日本柔道選手権大会 組み合わせ
令和8年全日本柔道選手権大会 組み合わせ

林 今までだと「もうここで当たってしまうのか」という早い段階での強豪同士のマッチアップが結構多かったと思うのですが、有力選手に丸をつけていくと、2人おき、1人おき、という形でうまく散りばめられていることに気づきます。さらに軽・中量選手もいい具合に重量級選手と対戦するような組み合わせになっている。今まで軽量級選手が出たときに、自分より少し大きい程度の選手との試合になってしまい、「せっかく全日本選手権に出ているのに」と残念に思ったことも多かったんですよね。

古田 これは抽選後、ファンの皆様も感じるところがあったのでは。昨年の「振り返り座談会」で、魅力的な座組をもう少し考えるべきだ、と話題に上がったトピックなのですよね。これだけ有力選手が揃うと「早い段階での対戦」は避けられないところでもあるのですが、今年はなかなか、前半から面白い構図の対戦が揃ったと思います。カード属性的にも、いい意味での色気がありますよね。

林 聞くところによると、これまでシード選手は前年度ベスト4だけだったのですが、今年は世界選手権のメダリストや日本代表選手を特別シード選手として配置したのだそうです。今回は太田彪雅選手、新井道大選手、村尾三四郎選手、田嶋剛希選手。

古田 これは、頑張りましたね!色々な意見はあると思いますが、大会を盛り上げようと主催者が積極的・具体的に動いたこと自体がかなりポジティブ。この姿勢は高く買いたいと思います。そうするとシード選手は香川選手、原沢選手、中野寛太選手、増山香補選手に加えてこの特別推薦選手4人。ここがほとんど重量級の選手ということもあり、抽選の結果「重量vs軽量」のマッチアップも良い感じに配置される形になりましたね。

林 古田さんからも、「みどころ」、ぜひ一言お願いします。

昨年から「足取り」も解禁。より無差別らしい、講道館柔道の技術大会が表現しやすいルールへと変わった。写真は優勝した香川大吾が高木育純を攻める。

古田 そうですね。それでは補完ということで、別トピックで。「旗による判定あり」などの独自ルールが制定された令和6年の節目から、今回が3回目の大会。昨年からは「足取り」も解禁されました。昨年度大会でもこのルールの中で自分の柔道を5分間の中でどう表現するか、この大会ならではの戦い方がかなり練れて来た印象でしたが、3年目になって、また新たな「全日本の戦い方」が見えてくる大会になれば非常に面白いなと思っております。昨年の傾向からして、次の注目ポイントは「先制」。昨年は旗判定における印象点も含め、先に大きなポイントを上げた側がそのまま逃げ切る展開が非常に多かった。いまの競技柔道は技術力が上がり、ビハインドを逆転することは非常に難しいことがよくわかった。これを受けて、さきほど垣田さんが仰ったような“尖り”が、「まず先に取る」方向に向かうのではないかと少し楽しみにしています。じっくりやって最後に取る、から、取ってじっくりやるプランの試合が増えるかなというのが個人的な見立てです。意外に試合の序盤が面白い大会になるのではないかと。あとは「足取り」の使い方。体重別で培った数々のツールで組み上がり、整備された「取らせない」戦型。足取り技こそがこれを壊す、破調のある手札だとみな意識し始め、積極的に持ち込む可能性がある。これは昨年上水研一朗さんが長いスパンの変化として予告したことですが、特にリードされた展開で誰がどう使ってくるか、かなり楽しみにしています。IJFに対する「足取りありの競技柔道」へのプレゼンという意味でも、豊かな攻防がたくさん見られることに期待したいですね。

令和8年大会の「注目選手」

田嶋剛希。令和5(2023)年大会で3位に入賞。2024年アブダビ世界選手権90kg級金メダリスト。

古田 それでは今年も、それぞれに注目する選手を挙げていただきたいと思います。皆さま挙げ始めると止まらなくなるかと思いますので、今回は司会の方から「最大2名まで」ということで指定をさせていただきます。垣田さんからお願いいたします。

垣田 たくさん魅力的な選手がいる中で、二人に絞るのは本当に難しいんですけど、私は田嶋剛希選手と村尾三四郎選手を挙げさせていただきます。重量級の一線級がずらり揃って当に予想しづらいトーナメントなんですが、90kg級の世界王者同士の決勝戦という絵がリアルに描けるというか、実現の可能性もかなり高いと思っています。そのくらい彼らは、強い。この2人の戦いぶりにひときわ注目しています。

古田 同じ階級の世界チャンピオンが全日本選手権という場で相まみえるという、非常にワクワクする座組ですよね。

垣田 この構図自体がもう、たまりませんよね。

村尾三四郎。全日本柔道選手権は高校3年時以来8年ぶりの出場。90kg級でパリ五輪90kg級銀メダル、2025年ブダペスト世界選手権金メダル。

古田 村尾選手は体重別世界でまさに最強を誇っています。昨年の世界選手権では決勝で田嶋選手を破って金メダル獲得。並み居る強豪をまったく寄せ付けぬ圧勝でした。以降もまさに無双と言っていい状態です。田嶋選手とはこの2年で3度国際舞台で戦い、3連勝中。ただし全日本には、高校3年生だった平成30年(2018)年大会以来、実に8年ぶりの出場です。選手として仕上がってからは、実質これが初めての全日本の舞台と言っていいかと思います。一方田嶋選手は2年連続3度目の出場。2回出たこれまでの全日本選手権では特殊なルールの中で非常に生き生きと自分を表現して、令和5(2023)年大会では3位入賞も果たしています。それこそ体重別の世界では表現しがたいレベルまで『彼らしさ』を発揮していると言っていい。まさに主役級、無差別世界のオンリーワンになりつつあります。・・・垣田さん、小林大悟らうちのスタッフともよく話しているんですけど、もし私がシナリオライターを任されて、「全日本選手権の世界を広げるシナリオを書け」と発注されたならば、ここは、決勝でこの2人が戦って、田嶋選手が「足取り」技を使って勝つという脚本を書きます。

垣田 いいですね(笑)!面白いじゃないですか!

古田 全日本選手権ルールの存在感が上がると思うんですよね。「おい、今日の乱取りは全日本ルールでやろうぜ」くらいのフラットな世界を作るまで認知が進むには、このくらいのインパクトが欲しいですよね。世界選手権の決勝を「前振り」に使う二段ロケット構図もなんだか痛快に感じます。

垣田 そして今の話を聞くと、実際に対戦があったとしてこのルールを生かすのはやはり田嶋選手という感じがしますね。村尾選手はそれを「やる」側には立たなそうなイメージがありますけど、田嶋選手はドライに使い分けるというか、「これはこれ、国際大会は国際大会」みたいなにしっかり切り分けて準備してくると思います。お互い決勝にたどり着くまでにたくさんハードルがあると思うので、そのあたりも注目していければなと思います。

古田 ありがとうございます。90kg級で隙なくガッチリ戦型を確立している村尾選手が、このルールに合わせて何かやってくるのか、あのスタイルのままでくるのかというのも非常に楽しみですね。そしてなにより。業界から漏れ聞こえる「村尾の強さは異次元」「体重差など問題にしない。重量級もどんどん投げる」という強さがいよいよベールを脱ぐと、根源的なところでここにまず、大いに注目です。

林 実際に全日本学生優勝大会決勝、代表戦で100kg超級の斉藤立選手を抑え込んで一本勝ちしていますからね。

古田 あれが2022年。以降、公の場で「無差別の村尾」が戦ったことはない。

朝飛 これはもう、楽しみで仕方がありませんね。

古田 では続いて朝飛先生、お願いいたします。

香川大吾
連覇を狙う香川大吾

朝飛 私は香川大吾選手と、新井道大選手を挙げさせていただきます。香川選手はいわずもがな、去年のチャンピオン。彼は戦う相手に合わせた、その人なりの柔道を作ってくることが非常にうまい。小さい人には小さい人用の柔道、大きい人には大きい人用の柔道をしっかり作ってくる強みがあります。

古田 去年も、ステージごとにきちんと切り分けて、決勝までを俯瞰して組み立てていた印象でしたね。

朝飛 どんな戦いかたを見せてくれるか、初戦から、勝敗はもちろんなにより内容を楽しみにしたいと思います。少し足を怪我して、練習をやっていなかった時間があることが心配ですが、地力はやはりあるのではないかと思います。相手が全員強い、厳しい組み合わせですので、スタミナ面でどうか、上位の戦いまでどう体力を残すのかも気に掛けて、見守りたいと思います。

古田 連覇を狙う、プレッシャーのかかる立場をどう乗り越えるかも注目ですね。「自分が一番強い」ということをもう一度証明しなければいけない大会に、どんなアプローチで臨むか。これは非常に楽しみです。

新井道大
新井道大

朝飛 続いて新井選手。東海大の先生方にお話を聞くと、もう、今、物凄く強いらしいんですよね。村尾選手と新井選手は普通ではないと皆口を揃えます。・・・新井選手は通常なら膠着するような力関係でも、試合になると度胸がいいというか、「指導」で終わらせるのではなく投げて勝つ試合が多い。自分の力を発揮して終わる。初戦から佐々木健志選手、続いて中野寛太選手と、戦う相手は物凄く強い選手ばかりですが、勝つ、それも判定ではなく投げて倒して上がっていくぐらいの破壊力を、今は持っているのではないかと思います。どのくらいやれるのか、彼の強さに注目しています。

古田 新井選手はもうスター性抜群というか、東京選手権でも全日本に向けた思いを語るそばから、オーラが「だだ溢れ」という感じでした。この意味では「新井選手らしさ」がさらに上がっていると思います。舞台の熱量が高ければ高いほどいいパフォーマンスを披露する人ですので、2度目の日本武道館でどんなパフォーマンスを見せてくれるか注目です。林さんからもお一人挙げていただこうかなと思うのですが、いかがでしょうか。

原沢久喜。平成27(2015)年大会、2018(平成30)年大会と2度の優勝を誇る、もっかは2大会連続で準優勝。過去2年間、出場した試合はこの全日本選手権のみ。

林 原沢久喜選手を挙げさせていただきます。

古田 過去2度全日本選手権を制し、もっか2年連続準優勝。一昨年の全日本選手権後アメリカに渡り、1年間試合に全く出ずに再び全日本へ。そして決勝まで進みました。

林 先週アメリカに電話しまして、本人とお話しさせていただきました。非常に充実した毎日を送っているようです。フィジカルの面では日本にいた時よりも上がっていると。多分、力は本当についていて。・・・SNSでトレーニング動画を上げていますよね。最初の頃にアップしていたものと最近の動画を比べると、やはりもう全く違います。本人にそのあたりをぶつけたらやはり「全然変わってきてます」と。

朝飛 おお!

林 ただ、それを柔道にどう結びつけられるかは未知数だと。非常に楽しみだと話していましたね。私も本当に予想出来ません。物凄く、それこそ爆発的に勝ちまくる可能性もある。一番のポイントは村尾選手との試合になるかと思いますが、この試合の結果次第では…また来年もアメリカから出るような状況も十分に考えられるのかなと。

古田 つまり、決勝進出。

林 そうなるような、いい柔道、いいパフォーマンスに期待したいと思います。

古田 ありがとうございます。原沢選手は、その出来の予想に補助線がまったくない状態。これはもう、当日蓋を開けるまでわかりませんね。顔、目つき、動きから肌の色つやまで、初戦から目を凝らして観察したいと思います。

林 古田さんからも注目選手、挙げていただけますね?

佐々木健志
佐々木健志。令和2年大会では王子谷剛志・加藤博剛と選手権者2人を倒して準決勝まで進んだ。写真は3月の中国地区予選。

古田 では私からは、佐々木健志選手を挙げさせていただきます。81kg級では世界王者を含む世界の一線級を度々大技で屠り、ワールドマスターズ等も制した「無冠の帝王」。全日本選手権でも大型選手をなぎ倒してベスト4入りを果たした業師が、怪我を経て、年齢を重ね、所属を変え、今年は地方予選から復活してきたということで、これは注目しないわけには参りません。地方予選を見ると、佐々木選手らしいパフォーマンスを、しかもこの新しい全日本ルールの中で存分に表現していてですね。島根県予選では伏せた相手を淀みなくそのまま持ち上げて掬投で叩きつけるという、もう、これを日本武道館で見てみたい、と思うようなワクワクする柔道を披露していました。彼も久しぶりの全日本に掛ける思いは非常に強いと思います。私はかつて彼のことも史上に連なる「全日本男」と書かせて頂いたことがあります。だいぶ時間は立ってしまいましたが、久々の舞台で佐々木健志らしいパフォーマンスを見せてくれることを非常に楽しみにしています。・・・では、続きまして、早速一回戦から、全試合を予想していただきたいと思います。

(②「一回戦」につづく)

令和8年全日本柔道選手権大会 組み合わせ
令和8年全日本柔道選手権大会 組み合わせ

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