取材・文・評:古田英毅
写真:乾晋也・辺見真也
【準決勝まで】
全日本選抜体重別選手権2連覇中の古賀玄暉(旭化成)と、5月の強化選考会を制した近藤隼斗(国士舘大3年)。優勝候補の最右翼と目された2人の強者が、決勝に勝ち上がった。
第1シード古賀、初戦で冷や汗も順当に決勝へ
第1シードに配された古賀は波乱の出だし。2回戦、市川龍之介(了德寺大職員)を相手に思い切った帯取返に身を捨てるが、市川は古賀の作用足を透かし、頭を制して片足を着いたまま完璧に被り返す。古賀の身が畳に埋まり、次いで頭側に回り込んだ市川がその上に被さって主審は「一本」を宣告。古賀が自ら仕掛けた際の攻防で敗れ、そして両手を広げて「なぜ?」とアピールするという国際大会で幾度も見られた絵がここでも繰り返されることとなる。映像を見返してもポイントを減じる要素は見出しにくく、試合はここで決着と思われた。しかし審判団のチェックの結果この「一本」は取り消しとなり、試合は継続。命拾いした古賀はこのチャンスを逃さず、GS延長戦2分15秒送襟絞「一本」で事態を収拾した。
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