文責:古田英毅
写真:上野弘明・乾晋也
【準決勝まで】
期待のホープ2人は勝ちあがれず
下側の山が熱い。昨年強化選手選考会に講道館杯とシニア2タイトルを制してグランドスラム東京でも日本人最高成績(2位)を残した近藤隼斗(国士舘大4年)と、高校2年生にしてグランプリ・ポルトガル優勝と異次元の出世を見せた福田大和(比叡山高3年)の若手2人が詰め込まれた。今大会、全階級を通じた屈指の注目ブロックである。
そしてこの期待の2人は、いずれも初戦敗退に終わった。
近藤初戦敗退、「選抜の罠」に嵌まる
近藤隼人は初戦で全日本実業個人王者・竪山将(パーク24)とマッチアップ。左相四つのこの試合は組み力と一発に勝る近藤やや優位でスタート、58秒には組み負けた竪山が巴投で展開を切って偽装攻撃の「指導」。1分51秒に展開やや止まると双方に消極的試合姿勢の「指導」。竪山は早くも後がなくなる。しかし近藤は竪山の巧みな組み手に付き合わされてしまい、作りの暇(いとま)なく決定打が出ない。竪山は先んじて左背負投に左大外落と仕掛け、近藤はいずれもしっかり捌いて潰せることで逆にこの貴重な時間をウォッチして潰してしまう。竪山の左背負投に近藤がついに崩されて抜け落ちた3分21秒、近藤に消極的試合姿勢の「指導2」。
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