【コラム】大戦略で勝る阿部と己の土俵で戦えていない丸山、対決の流れを整理する/ドーハ世界柔道選手権2023・男子66kg級

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文責:eJudo編集部

タシケント世界選手権決勝、阿部一二三が勝って4連勝を果たした。

「階級概況・勢力図」で示した通り、今大会の66kg級はどこまで行っても「阿部vs丸山」。この2人の対決を抜きにしては語れない。両者の因縁は長く、戦いを規定する変数の項も特殊。よって66kg級のみは個別のプレビュー記事を1つ増やし、この2人の来歴を整理する場を設けさせていただくことにした。

単に「積年のライバル対決」という認識だけで試合を見、勝った負けたと結果に騒ぐだけでは勿体ない。もっかの前提条件はなんなのか、戦いの最前線はどこにあるのか、これを探るべく、これまでの来歴を整理しておこうというのが主眼だ。

阿部一二三と丸山城志郎の対戦成績

2018年11月グランドスラム大阪~2019年8月東京世界選手権
戦績:丸山の3勝0敗

2018年グランドスラム大阪決勝、丸山の巴投「技有」

「組み際の技が中心で、丸山の内股を恐れる阿部」vs「組み合えば強く、相手が自らの内股を恐れることを前提に優位に試合を運ぶ丸山」という構図だった。この時期には阿部の自身の柔道への理解がまだ曖昧であったこともあり、組み合った状態で丸山が圧を掛け、最後は阿部の下がり際を捨身技で取るという形で、丸山が3連勝を果たした。

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