【eJudo’s EYE】勝者の条件満たした阿部一二三、敢えて「絶対王者」阿部詩の隙を指摘する/パリオリンピック2024柔道競技 第2日(66kg級、52kg級)

eJudo’s EYE(コラム)/注目の記事/記事
  1. ホーム
  2. eJudo’s EYE(コラム)
  3. 【eJudo’s EYE】勝者の条件満たした阿部一二三、敢えて「絶対王者」阿部詩の隙を指摘する/パリオリンピック2024柔道競技 第2日(66kg級、52kg級)

文責:古田英毅
Text by Hideki Furuta

「アップデート」「研究」、そして「資質」。勝者の条件満たした阿部一二三

阿部の凄さが凝集されていた。決勝、ウィリアン・リマから奪った浮落「技あり」

みごと2大会連続の金メダル獲得。阿部一二三は強かった。端的にその阿部の強さが見えたシーンを2つ挙げたい。

鳥肌が立ったのは決勝、ウィリアン・リマ(ブラジル)から奪った浮落「技あり」だ。引き手でなかなか袖を持たせてもらえない。ならばと釣り手からに変えて右小外刈を入れる。捕まえたらケンケンで追う。追われたリマはこれを透かし、体を捨てながらの右体落で作用足をぶち当てる。しかし阿部は一瞬でこれを透かすなり上体を制動して浮落に変換し、叩きつけて「技あり」を得る。この攻防に阿部の「勝利の条件」が凝集していた。

有料会員記事
【残り7,466文字 / 全7,837文字】

スポンサーリンク