
著者紹介:Aya
Xの人気アカウント「2025judo」を運営する、柔道ファン界隈きっての「見上手」。SNS投稿の紹介はもちろん、試合情報に関しても的確なピックアップとわかりやすい紹介が好評、ファンのみならず選手間でもよく知られる。代表選手の中には「これさえ見ていればツアーの流れがわかる」と、このアカウントをウォッチするためにXを始めた方もいるほど。
※「ケアシステム」=皆さんご存じの、審判用の試合動画録画・再生システム。技の効果や反則判定のチェックなどに使用されます。正式名称“CARE(Computer Aided Replay)システム”
世界ジュニア選手権が南米ペルーで開催
10月に入ってから、国内では国体改め「国スポ」こと国民スポーツ大会柔道競技会が開催されました。一方、海外では、開催地や日程の調整に最後までバタバタしていた世界ジュニア選手権が南米ペルーのリマで行われました。
国スポと世界ジュニアの日程が重なってしまったことで、選手たちはどちらの大会に出るのか悩まざるを得ない状況になってしまったのは残念でした。しかし、国スポの都道府県代表を優先した選手が世界ジュニア選手権の代表から抜けたことで、チャンスを得たジュニア世代もいたはず。これは逆もまたしかりです。選手層の厚い日本にとっては、むしろ良かったのかもしれません。
今回の世界ジュニア選手権でも、さまざまなストーリーが生まれました。
なかでも印象的だったのは、女子63kg級で銅メダルを獲得したインドのリントイ・チャナムバム。彼女は2022年サラエボ世界カデ選手権で優勝し、柔道競技においてはインド史上初となる金メダルをもたらした選手です。
まだコロナの影響が世界に残っている2022年ごろには、現在もチャナムバムのコーチを務めるマムカ・キジラシヴィリさんとともにコーチの出身国でもあるジョージアへ練習に向かったものの、帰国できなくなったため、9か月間ジョージアで稽古を続けたという経緯が話題になりました。
その後、活躍が期待されていたものの、前十字靭帯断裂という大けがを負い、しばらく畳を離れることに。その彼女が今年ついに復帰を果たし、19歳で臨んだ今大会で3位という結果を収めました。
復帰の喜びを、彼女はインスタグラムでこう綴っています。
「私たちは泣いて、苦しんで、失敗もしてきたけれど、コーチはいつもそばにいてくれました。このメダルは、私自身よりもあなたこそがふさわしいと思います。いつも私に自信を与えてくれてありがとう」
リントイ・チャナムバム(インド)
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