伝統の7人制・無差別レギュレーションで学生柔道日本一を争う全日本学生柔道優勝大会(男子71回)の開催が今週末に迫る中、前回の東海大・上水研一朗監督に続いて、今年ひときわ充実が伝えられる天理大の穴井隆将監督に話を伺った。予想通りかなりの手ごたえを感じている模様。のっけから「今年優勝できなかったら、私の監督人生の中で優勝は二度とないという覚悟」と、決意溢れる言葉が続いた。国内外問わず、あくまで二本持って「一本」を狙う「天理柔道」への尊敬がひときわ高まるこの時代、総決算としての天理大優勝はあるのか。1993年以来の日本一に向けて熱量高まるチームの様子と指揮官の決意のほどを、ぜひご堪能いただきたい。
聞き手:古田英毅
※インタビューは6月17日に行われました。
「優勝するなら今年しかない、中核は中野・植岡・ツェツェンツェンゲル」
――今年の天理大、非常に良いチームだと思います。かなりの手ごたえがあるのではないでしょうか。
天理高校がインターハイで優勝したメンバーが4年生になる年です。ここまで3年間順調に成長してくれた彼らを柱に、3年生、2年生、1年生を加えて、正直に言って、かなり力のあるチームだと思っています。今年優勝できなかったら、私の監督人生の中で優勝は二度とないだろうな、という覚悟を持ってやっています。
――ファンはもう十分に承知とは思いますが、監督の方から、今年のチームをご紹介いただけますか。
柱になるのは中野(寛太)、植岡(虎太郎)、それからモンゴルからの留学生ツェツェンツェンゲル・オドフーですね。中野・植岡に関して言うとやはり技を持っている、天理の柔道の王道を貫ける選手です。自分の形をしっかり持っていて、団体戦においても確実にポイントを挙げてくれるタイプ。期待しています。ツェツェに関しては本来であれば卒業している年齢なのですが、コロナ禍でモンゴルに帰っていて学業が中断してしまい、もう1度日本で頑張りたいという思いを持って戻って来てくれた。このことで、心の部分で結束の固い集団が出来た。この結束の固さも今代の大きな特徴ですね。
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