
著者紹介:Aya
Xの人気アカウント「2026judo」を運営する、柔道ファン界隈きっての「見上手」。SNS投稿の紹介はもちろん、試合情報に関しても的確なピックアップとわかりやすい紹介が好評、ファンのみならず選手間でもよく知られる。代表選手の中には「これさえ見ていればツアーの流れがわかる」と、このアカウントをウォッチするためにXを始めた方もいるほど。
※「ケアシステム」=皆さんご存じの、審判用の試合動画録画・再生システム。技の効果や反則判定のチェックなどに使用されます。正式名称“CARE(Computer Aided Replay)システム”
クリスタが引退を表明
「試合に対して燃えるものがなくなった」——私が過ごした短い柔道観戦歴の中でさえ、何度か耳にしたフレーズです。
クリスタ(出口クリスタ:カナダ)は日本での熾烈な代表争いを経験し、その後カナダに移籍したものの、その争いから逃れることができませんでした。外野からはわからない、計り知れないプレッシャーの中で戦ってきたのだと思います。そのクリスタと共に側で戦ってきた妹ケリー(出口ケリー)。二人だったからこそ(実質カヨルレイズ(カナダ)を入れて三人?)この壮絶な時間をかいくぐってこられたのだと想像します。もっとも、これも私の勝手な妄想ではあるのですが。
今回取り上げた二人のほか、レスキ(アンドレヤ・レスキ:スロベニア)やヴァグナー(アナ=マリア・ヴァグナー:ドイツ)など、五輪後に引退を決める選手はたくさんいます。ただ、テディ・リネール(フランス)をはじめ、チュメオ(オドレイ・チュメオ:フランス)や濵田尚里(自衛隊体育学校)など、五輪で金メダルを獲った後も競技を続ける選手もいます。この違いは何なのでしょうか。やはりチュメオや濱田のほうが特殊なのでしょうか。この解けない謎を、これからも見守りたいです。
最後に、あくまでも個人的な意見ではありますが……「クリスタにはこんなにかしこまった会見じゃない方が合っていてよかったんじゃないかな」と思いました。あと記者会見のムービーが日本生命らしくて、泣きながら笑っちゃった。
埋込のInstagram動画はカナダ柔道連盟によるパリ五輪までの軌跡をまとめたものです。
出口クリスタ(カナダ)
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ステインハウスも引退
オランダの78kg級と言えば、私の中ではフッシェ・ステインハウス(オランダ)でした。「壁」を彷彿とさせるような大きな身体をいかし、安定して強かった印象。パリ五輪後からあまり大会で見ないなとは思っていたけど、ついに引退を表明しました。
そう、彼女も、もう33歳だったのです——。今、代わりに出てきているのが、リーケ・デルクス(オランダ)という選手。2023年世界ジュニア選手権で2位と好成績を収めた期待のホープで、その頃から私も注目していました。ステインハウス自身、長い間ライバルと切磋琢磨してきたから、もうやり尽くしたんでしょうか。投稿の中でも「トップスポーツから学ぶべきことはすべて学んだ」とありました。
また世代交代を目の当たりにして少し寂しい気持ちもありますが、彼女の次の旅を応援したいと思います。
【編集部補足】ステインハウスは長く2009年世界王者・マルヒンデ・フェルケルク(オランダ)と代表争いをしてきました。フェルケルクが一番手の時代が長かったため、なかなか五輪のチャンスが来ませんでしたが、東京、パリと2大会で7位に入賞しています。濵田尚里選手とは妙に相性が噛み合い、毎回熱戦になっていたことが印象的です。(小林)
フッシェ・ステインハウス(オランダ)
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