文責:eJudo編集部/小林大悟
90kg級 ボボノフとイゴルニコフがトーナメントの軸、準々決勝に組まれるボボノフvsロルサノフに注目
(エントリー24名)
豪華な階級。主軸となるのは、2019年東京世界選手権王者のノエル・ファンテンド(オランダ)、2021年ブダペスト世界選手権2位のダヴラト・ボボノフ(ウズベキスタン)、欧州選手権2度優勝のミハイル・イゴルニコフ(IJF・ロシア)、昨年のグランドスラム・アブダビを制した22歳のロシアの新星・マンスール・ロルサノフ(IJF・ロシア)ら、世界大会でメダルを狙うクラスの強豪たち。ここにガンツルガ・アルタンバガナ(モンゴル)やリ・コツマン(イスラエル)、イェスパー・シュミンク(オランダ)らワールドツアーの上位常連組も加わり、極めてレベルの高いトーナメントとなった。
優勝争いの中心はボボノフとイゴルニコフ。この陣容にあってなお、力が頭ひとつ抜けている。本来ならばここにファンテンドも加えるべきだが、昨年来低パフォーマンスが続いており、事前予想の時点ではいまだこの流れにあると読んでおくのが穏当だろう。配置はボボノフが第1、イゴルニコフが第3シード。山組の上下に分かれて配されており、この2人に他強豪が順番に挑むというのがトーナメントの基本構図となる。切れ味と力強さを兼ね備えおり「緩急」「遠近」を自在に使い分けるボボノフに、常人離れした体幹と下半身のバネで片足を差し入れた状態から一気に相手を跳ね上げてしまう「片足の帝王」イゴルニコフ。いずれも柔道自体が非常に魅力的な選手であり、とにかく試合内容が面白い。見逃さず追い掛けたいところ。
なお、ボボノフの山にはロルサノフが配されており、準々決勝で対戦予定。両者は昨年のグランドスラム・アブダビで対戦しており、その際はロルサノフが合計時間7分を超える消耗戦の末に小外刈「一本」で勝利している。ボボノフにとっては東京五輪後の復帰戦でまだ本調子ではなかったと思われるが、果たして今回はどのような結果になるのか。予選ラウンドの最注目カードだ。
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