エントリーは36名。シード順を決定する基準が、例年の「大会直前のランキング」から「7月のグランプリ・ザグレブ終了時のランキング」に急遽変更され、シード順も「概況解説・シード予想」で示した予想から大きく変わった。
優勝候補3名はプールが分かれ、グラム・ツシシヴィリ(ジョージア)がプールA、斉藤立(国士舘大3年)がプールC、ルカシュ・クルパレクがプールDに配された。
日本代表の斉藤は、第2シードのユール・スパイカース(オランダ)の直下に置かれ、初戦での対戦が組まれた。これが一応の最初の山場。ただし、この選手は東京五輪後の上位陣が不在、あるいはまだ本調子ではない時期に成績を残して順位を上げたタイプで、実力よりも成績が先行している感が強い。斉藤が平均程度の調子なら、それほど大きな脅威にはならないだろう。本当の山場は準々決勝のヤキフ・ハモー(ウクライナ)戦。ここから対戦相手のレベルが大きく一段上がることになる。以降の予想される対戦相手は準決勝が東京五輪金メダリストのルカシュ・クルパレク(チェコ)、決勝が同銀メダリストのグラム・ツシシヴィリ(ジョージア)。ハモーまで含めて、海外勢トップと目される3名全員と戦わねばならない厳しい1日だ。
各プールの勝ち上がり予想に移る前に、ここでこの強者3人と斉藤の戦いの様相を、展望しておきたい。
ハモーは組み手の左右が利き、機動力のある選手。斉藤の重さならば振り回されることはないと思うが、密着しての捨身技は注意が必要。こちらはかなり強力だ。先に持って斉藤の強みである組み手での圧が掛かる形を作ってしまいたい。
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