文責:古田英毅
写真:乾晋也、辺見真也
【準決勝まで】
インターハイ2連覇中、昨秋は全日本ジュニアも制した第1シード選手・木原慧登(神奈川・東海大相模高)が順調に決勝まで勝ち上がった。大会終了直後に水落健太監督が語ったところによると、木原は2週間前に腰の痛みを訴えて、以後は乱取りを中止。治療中心の調整に切り替え、打ち込みと組み手の確認のみで本番に臨んだとのこと。この日の個人戦は腰に負担の掛かりにくい技を中心に戦ったということだが、傍目にはこのハンデは感じられず。昨年度2位の屈辱を晴らすべくひたすら手堅く、万が一にも間違いのないように試合を進めたという印象だった。
左相四つの宮本壮(静岡・東海大翔洋高)を畳に迎えた初戦(2回戦)は引き手で袖をしっかり支配する手堅い進退から、一種唐突と言っていいほどの展開の飛躍。1分13秒相手を呼び込みながら片襟の左大外刈一撃、前に歩かされる重心移動の中途でインパクトを食らった宮本は両足を浮かせて吹っ飛び「一本」。そのスピード、そして軽い動作と裏腹の派手な絵のギャップに、勝利自体は予測していたはずの観客からも思わずどよめきが上がる。
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