ドローの陰影薄い階級、角田に挑む「1試合目のラボルデ」に注目
エントリーは45名。「階級概況・勢力図」で示した予想からのシード選手配置の変更はなし。
この階級は優勝争いに絡むと予想される選手が全員シード枠に入っているため、トーナメントの様相も「階級概況・勢力図」で述べたとおりとなっている。
3連覇を狙う角田夏実(SBC湘南美容クリニック)は、初戦の相手に32歳のマリア=セリア・ラボルデ(アメリカ)を引いた。選手名鑑でも紹介したとおり、この選手は1試合限定なら強い。試合を重ねると消耗でがっくりパフォーマンスが落ちるが、序盤は世界大会メダルクラスの強さを発揮する難敵だ。できることなら序盤での対戦は避けたいところだったが、ピンポイントに最序盤、それも初戦の相手に引いてしまった。「嫌な当たり」という意味では、決勝までを含めたなかで一番の難所となるはず。入念にアップを行い、初戦から決勝のつもりで臨みたい。ここさえ乗り越えれば、以降は順当に勝ち上がれるはずだ。
有力選手の配置、各プールのひとこと展望は下記。有力選手の特徴については「選手名鑑」を、組み合わせは公式サイトの山組を確認のこと。
プールA
第1シード:シリーヌ・ブクリ(フランス)
有力選手:ラウラ・マルティネス=アベレンダ(スペイン)、ナターシャ・フェレイラ(ブラジル)
上側の山の勝ち上がり候補は第1シードのシリーヌ・ブクリ(フランス)。初戦の相手に、過去に世界大会で2度入賞している実力者のラウラ・マルティネス=アベレンダ(スペイン)を引いた。まずこの試合が山場だ。戦績では2勝3敗と負け越しているが、敗れているのは2018年以前で、現在は2連勝中。厳しい組み合わせではあるが、勝利自体は難しくないだろう。
ただし、ブクリはこれまで世界大会では、いずれも序盤で敗れている。そして今回の組み合わせを見る限り、ベスト8までで敗れる可能性があるのはこの試合のみ。ここを乗り越え、嫌なジンクスを払拭してしまいたい。
第8シード:古賀若菜(山梨学院大4年)、
有力選手:エドナ・カリーヨ(メキシコ)、グオ・ゾンギン(中国)、フランチェスカ・ミラニ(イタリア)
下側の山。古賀若菜(山梨学院大4年)、この山に階級の上位グループはおらず、他のシード選手と比べると楽な組み合わせを引いた。勝ち上がり自体は問題ないだろう。とはいえ、対戦相手は世界選手権なりに骨のある選手ばかり、順当ならば初戦(2回戦)でグオ・ゾンギン(中国)、3回戦でフランチェスカ・ミラニ(イタリア)と対戦することになるはずだ。ただし、いずれも言ってしまえば明確な格下。良い内容で勝ち上がり、流れを作りたい。
準々決勝の予想カードは、ブクリー古賀。
「階級概況」でも述べたとおり、直近の対戦である昨年12月のワールドマスターズ・エルサレム決勝では、ブクリが隅返「技有」で勝利している。この試合では、古賀は力負けすることで自らの柔道が出来ていない印象だった。ただし、ブクリの柔道は良くも悪くも単純で対策は取りやすい。この4ヶ月間に十分準備してきたはず。世界大会ではブクリがこれまで実力を十分に発揮できていないという事情も含め、ここは古賀の勝利と予想したい。
プールB
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