文責:古田英毅
Text by Hideki Furuta
ジョージア初のメダルに感動、「男女混合」に正義あり
ドーハ世界選手権、男女混合団体戦最大のトピックは、間違いなくジョージアの銅メダル獲得である。強国ジョージアがこのレギュレーションで初めての表彰台。泣けた。感動した。メダルを決めた3位決定戦、最後に畳に在ったのがエテリ・リパルテリアニであったことがまた素晴らしかった。「それまで」の声を聞いて顔を覆って喜ぶリパルテリアニに降り注ぐ拍手。観客もよくわかっている。実に感慨深かった。
なぜこの感慨か。なんとなれば。2017年、「男女混合団体戦」という新たなレギュレーション創設最大のインパクトの1つは、「あのジョージアがまったく勝てない」であったからである。理由は皆さんご存じの通り、あまりに大きい男女の戦力差にあった。戦力差という言葉すらおこがましい。ジョージアには、女子選手がほぼまったくいなかったのだ。ご存じの通り、男子は世界チャンピオンを3人、4人と同時に輩出してまったくおかしくない世界最強国の一なのに、である。この2017年ブダペスト世界選手権、ジョージアはまさに団体戦に出場させるために、女子を最低限の3人だけエントリー。個人戦57kg級に当時20歳のマリアム・ジャナシヴィリ、70k級に25歳のニノ・オドゼラシヴィリ、78kg超級に22歳のエレーネ・ケバドゼを送り込んで最終日の団体戦に備えた。
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