【eJudo’s EYE】試合は完璧、「意味のある勝利だったのか」を考えてほしい/アジア競技大会・杭州 男女混合団体戦採点表

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会場の蕭山臨浦体育館内

文責:古田英毅
Text by Hideki Furuta

男女混合団体戦についても採点を試みた。チームと、団体戦専任選手について個人戦と同じく10点満点で採点する。

団体戦専任選手について

アジア大会の採点の前に、世界選手権も含めた男女混合団体戦の「団体戦専任選手」の選抜についていま一度書いておきたい。率直に言って、現状はよくない。これまでも感じて来たことなのだが、今回、「1試合も出番がなかった」専任選手が出現した(桑形萌花)ことをきっかけに、あらためて意見を提示したい。

まず1つ目は、選抜すること自体の是非について。「本番」の五輪では個人戦出場選手しか使うことが許されず、団体戦専任選手は選べない。本気で東京五輪のリベンジを考えるなら、少なくとも世界選手権では五輪のシミュレーションをしておくべきではないか。今回筆者は中継局で仕事をさせて頂いたのだが、普段柔道を見ないスタッフの方々からは「なぜオリンピックで出来ないことをするんですか?」と素朴な疑問の声を度々聞いた。強化サイドは選抜にあたって毎回「多くの選手に経験を積ませるため」と説明しているとのことだが、それは基本的には、別のレベルの高い国際大会でやればいい話だと思う。

2つ目。本当に「経験を積ませることが必要」で団体戦専任選手を連れてきているのであれば、肚を据えて最初から最後まで使えばいい(ただし、これは「本命に個人戦と団体戦をフルに戦う経験を積ませる」こととトレードオフだ)。しかし現状は違う。予算を使って連れて来たところが1試合か2試合で替えてしまう、あるいは出番がないという事態が頻発している。これが本当に、五輪のシミュレーションやチーム全体の「個人戦代表選手でフルに団体戦を戦う」ノウハウの蓄積を捨ててまで欲しい「経験」なのだろうか。もっかは目先の勝利のために、「選手の経験」「五輪に向けたチーム全体のノウハウ蓄積」を2つながら捨ててしまっていることになっていないか。

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