【プレビュー】穴のない佐久長聖がV候補筆頭、挑む佐賀商・創志学園・埼玉栄/第44回全国高等学校柔道選手権大会女子団体試合展望

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日本武道館
2019年大会の開始式。

文責:eJudo編集部

有力校

それぞれレギュレーションが異なる高校三冠の女子団体。その緒戦となる本大会は、オーダー固定、点取り方式の体重別3人制(先鋒52kg以下、中堅63kg以下、大将無差別)で行われる。同点の場合の代表戦は、抽選による引き分けカードの再試合。つまり、かつてのように重量級の大駒が計2点を取って勝ち上がるというような戦略を採ることができない。勝ち上がるための最重要ポイントは、戦列に穴のない「総合力」だ。今代はコロナ禍で女子の冬季の合同練習(男子の招待試合シリーズに相当)がほとんど行われず、さらに黒潮旗武道大会(※富士学苑高が優勝)の日程が全日本ジュニアと被ってしまったことから、各チームの情報がほとんどない。まずは有力選手の枚数と戦力評価を軸に有力チームを挙げさせて頂き、続いて各ブロックの勝ち上がりから上位対戦までの様相を見通してみたい。

総合力の観点から有力と目されるのが、昨夏のインターハイ優勝の創志学園高(岡山)、同2位の佐賀商高(佐賀)、同3位の埼玉栄高(埼玉)、そして佐久長聖高(長野)の4校。順当に四つ角シードに配置されており、優勝争いはこの4チームを軸に行われることになる。穴のなさという点では唯一全ポジションに各階級の有力選手を並べられる佐久長聖が抜けており、そこか一段下がって他の4チームが追う格好となっている。以下、簡単に各チームの配列を紹介する。

佐久長聖の先鋒・横田ひかり。有力校の先鋒ではナンバーワンの大駒だ。

まずは第1シードの佐久長聖。先鋒に横田ひかり、中堅に白金未桜、大将に吉井なつみと全ポジションに強豪を揃えている。中堅の白金は本来57kg級の選手で階級落ちだが、先鋒の横田、大将の吉井はともに52kg以下、無差別でトップクラスの実力者。先鋒、大将のどちらでも得点が期待でき、それを前提に中堅が引き分ける戦法を採ることができる。さらに先鋒枠には48kg級全日本ジュニア選手権3位の伊藤南風もおり、序盤戦は横田を温存可能。横田の得点力の高さも考慮すれば、優勝候補の筆頭は間違いなくこのチーム。

52kg級高校選手権王者の新井心彩。今大会は57kg級に階級を上げ、階級落ちで中堅枠に登録。
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