【eJudo’s EYE】日本代表選手発表会見、内容まとめ/グランドスラム東京2023

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文責:古田英毅
Text by Hideki Furuta

会見に臨む増地克之女子監督、金野潤強化委員長、鈴木桂治男子監督。

6日に行われたグランドスラム東京(12月2日~3日、東京体育館)の代表発表。例年と違う形式の選考であったため、ファンへのハレーションは大きいようだ。
 
ただし、事前に発表されていた、あるいは選手・所属に伝えられていた方式に沿った選考ではある。ほとんどが予想通りで、メンバー自体に驚きはない。なぜこんな歪な方式を取るのかという「そもそも」についての批判は既にかなりのボリュームで書かせて頂いたのでここではノイズとして封印。なぜこのメンバーになるのかという経緯(強化サイドの論理構成)と、会見で出た情報をなるべく淡々と、メモの形で載せていく。

ここまで普段と違う選考だと、なかなか理解が難しい。ファンが困惑するのは当然だ。この先怪我による欠場者が出た場合などさらに混乱が深まる可能性がある。状況を知ってもらうことで、これを少しでも小さくしたいというのがこの記事掲載のモチベーションだ。

選手・所属に事前に伝えられていた選考方式

①内定選手がGS東京に出場する場合は、その階級は合計2名の出場とする。
・内訳は内定選手1名、ジュニア年齢の選抜選手1名
・ジュニア年齢の選手は全日本ジュニア・世界ジュニア・講道館杯に鑑みて選抜
・ジュニア年齢の選手が講道館杯で優勝した場合は全日本ジュニア、世界ジュニアの結果を総合的に判断してGS東京あるいは他の国際大会に派遣する
・講道館杯優勝者、アジア大会優勝者がシニア年齢の場合は、他の国際大会に必ず派遣する

・理由は、パリ五輪の出場とシード権獲得を睨んだワールドランキングポイントの獲得
・もう1つ、ジュニア世代の国際大会経験機会の創出
 
②内定選手がいない階級は、従来通りの選抜方式。

【筆者注】
※上記は10/10頃に出場選手と所属に通達された。
※10/20の公式サイト発表では情報がいくつか削られており、2枠目がジュニア世代であることが抜けていたはず(現在は修正)。ファンの混乱の一因になった可能性がある。
※通達では「講道館杯優勝者・アジア大会優勝者を必ず他の国際大会に派遣する」、サイト発表では「上記措置の影響でグランドスラム東京2023に出場できない選手については、他の国際大会への派遣を検討しております」と記載された。若干表現上のずれ(対象者の違いによる)がある。一応リマーク。

※ゆえに今回の、五輪代表内定選手出場階級の2枠目選考(=ジュニア選手の1番手)は、ほぼ関係者の予想通り。「どちらか」で予想が揺れたのは、48kg級の宮木果乃と近藤美月くらいではと考えられる。73kg級の田中龍雅と木原慧登、81kg級の天野開斗と伊澤直乙斗は講道館杯の成績で差がついたと解釈。

※「ワールドランキングポイントの獲得」について。ツアーウォッチャーのファンはご存じの通り、同階級に4名(地元特権)選手を出場させる場合、ランキングポイントが加算されるのはこのうち大会上位の2名まで。内定選手が確実にポイントを得るためには2名が望ましいという論理。

会見・質疑応答の内容から

【4枠を行使せず、2名のみ出場させる階級があることについて】

・夏の強化委員会で話し合って方向性は決めていた。選手からの要望ではなく強化委員会の判断。委員長を中心に立案した。
・今後、五輪前に再びこの措置を取るかどうかなどは未定。
・東京五輪では全階級で出場権が確保されていた(※開催地枠)。今回は勝利するため、あるいは出場権を取るためにあらゆる手を使う段階に来ていると判断した。パリで勝つための施策の1つ。
・4名枠の場合、ランキングポイント付与は大会上位の2名のみになる。2名への制限は、内定選手に着実にポイントを取らせるための判断。
・次点の選手たちの国際大会の機会を失うわけにはいかない。必ず他の、海外で行われる国際大会に派遣する。GS東京の減枠はあくまでこの点と合わせての措置。

【アクシデントがあって、内定選手が欠場した場合は?】

・11月25日が4名枠の登録期限。24日までに欠場が判明した場合には、4名枠の行使に切り替えて、4人を出場させる。
・以降に欠場となった場合は、規定上2名しか出場できない。4枠への増加は不可。その場合は1名を繰り上げて、合計2名を出場させる。選手入れ替えの期限は11月28日。
・欠場者が出た場合は、出来る限り繰り上げて1人でも多くの選手を出場させたい。
・ただし調整日程は過酷。この日の強化委員会で、「繰り上げ選手に限り、計量失格となってもペナルティは与えない」ことと決めた。

<筆者注>
※リスク管理として、「4名枠に切り替え時」(11/24以前に内定選手の欠場判明)のシミュレーションはしっかり行っている模様。この日監督が1階級「4名枠の場合はこう」と選手名を挙げてしまう一幕があったことから推測。当然といえば当然。おそらく選手にも伝えられているはず。

【100kg級の代表選考について】

・今大会の海外勢は極めて強力。この大会で優勝することのインパクトは大きい。
・4枠目の新井道大はジュニア選手枠ではなく、通常の「総合的判断」による選考。優勝した場合に五輪選考対象選手となる場合はありうる。3番手の植岡虎太郎も同様。
・規定通りGS東京で代表を決めたいというのが本音。ただし、試合の結果によっては」「決めかねる」事態も想定しておかねばならない。
・もしもつれる場合でも、基本的には2,3月の欧州シリーズで決めたい。
・いわゆる「決定戦」(ワンマッチ)などは考えていない。
・もっかは、日本の五輪出場自体が危うい状況。「戦ってどちらが強いか」を決めるよりも、国際大会でポイントを取っていかねばならない。国内ではなく国際が大事。ポイント獲得と同時に選考を行う必要がある。

【来年の世界選手権について】

・全柔連からIJFに幾度も問い合わせをしているが、返事がもらえない状況。時期、開催地、開催の有無など、いまのところ情報がまったくない。
・ゆえに、具体的な選考のスケジュールなども考えられない。
・選手構成についても同様。その時期なら五輪補欠選手が中心になるのではなどと考えることは出来るが、開催情報がないので白紙。いま、何か決められることはない。

<筆者注>
※IJFは五輪イヤーの2024年にも世界選手権を実施するとアナウンスしており、5月の実施が既定路線とされていた。ただし、もっか掲載されている2024年ワールドツアーのスケジュールにはこの記載がない。引き受け手(開催国)がなかなかいないとの噂がある。

(了)

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