文責:古田英毅
Text by Hideki FUruta
全国高等学校柔道選手権大会(3月19日~20日、日本武道館)の組み合わせ抽選がいよいよあす、17日(土)の夕方に迫った。
のっけに確認しておくが、今大会団体戦のシード校はもう決している。
ご存じの通りこの大会は、主催者が前年度の実績に関係なく「今年強いチーム」をシード8校にピックアップすることが伝統であった。その眼力と情報収集力の確かさ、そして何よりこの“何が何でも見た目の公平”という窮屈な時代にあって敢えて主観を前面に打ち出続ける面白味と、「シード校選び」はまさしく高校柔道界の名物であった。当方も全力をもってシード校を予想し、僭越ながらここ10年は幣サイト編集部と主催者の「読み合い」が定番イベントとなった感もあり。高校柔道ファンにも「四つ角」「八角」予想がすっかりこの時期のお楽しみとして定着し、当方も盛り上げとして我が意を得たりの感慨があった。
しかしコロナ禍をきっかけに、昨年は「前年度のベスト4都道府県代表をそのまま4つ角にシード」との機械的な制度が取られ、意外なことに今年もこの措置が継続。今年の四つ角は、修徳高(東京第1代表)、東海大相模高(神奈川)、東海大仰星高(大阪)、作陽学園高(岡山)となった。この中でのシード順(配置)はランダムに決まり、Bシード(8角)はピックアップなし。4校以外の配置は完全抽選である。
この企画も「予想」という文脈での面白味はなくなってしまった。しかし、有力校紹介と今年の展望を兼ねて、そして冬の招待試合シリーズ取材のアウトプットとして、敢えて今年も「eJudo版シード校」を企画させて頂く。少しでもお楽しみ頂ければ幸いである。
「四つ角」候補は5校、横一線から抜け出しつつあるのは崇徳
まずまっさきに名前を挙げるべきは、崇徳高(広島)。体重130キロの寺本竜彦を筆頭に、同120キロの中祖俊介、110キロの中濵洋希、115キロの大坂常汰朗、105キロのベテッチルーカスと重量級選手がずらり。おそらく登録に入ると目される95キロの津島賢大がチーム最軽量という重戦車軍団だ。
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