【eJudo’s EYE】女子日本代表選手採点表/グランドスラム・タシケント2024

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男子に引き続いて、女子日本代表選手の「採点表」をお届けする。採点に当たって重視するのは常の通り「己の持てる力を出したかどうか」。そしてこの項との密接な関連と、採点に付した寸評における再三の言及を反映し、今回からは“準備”へのフォーカスも明言したい。「己を理解して必要な手札を準備し、その上で状況にあったカードを切ることが出来ているかどうか」だ。

採点・評:古田英毅/eJudo編集部

52kg級

藤城心(三井住友海上) 5.5
成績:5位

3回戦、藤城心がスミヤ・イラウイから袖釣込腰「技有」

初の国際大会派遣、メダルは逃したが評価はアップ。ハッキリ寝技を軸に据えたことで柔道全体が巡り、ゆえに得意の袖釣込腰も決まった。ブシャー戦は「指導2」と肩車「技有」で敗れたが、これは地力と経験の不足。率直に健闘と評価したい。3位決定戦は「組み手の切り離し」による「指導」を立て続けに失って敗れたが、これについては少々気の毒との感想を抱いた。藤城は国内でこんな負け方はしない。同じルールでやっているはずがこの反則をほとんど取らない、国内の審判傾向にも問題があると考える。審判委員会は問題山積み、1度しっかりまとめて世に問わねばとまたしても強く思わされた。己の振る舞いがそのまま国内の選手全体の方向性を決定してしまうという「育成」側面への意識がまったくもって足りないのだが、こういう大きい主語で「ジャッジ」を考えている人間がそもそもいないではないかとすら感じる。藤城の側としては、これは単純に対応出来る純技術的問題。しっかり課題として捉えて、ローカルではない今の競技柔道の傾向を体に入れていきたい。初の国際大会で入賞、やや閉塞しかけていた柔道が水を得たように巡り始め、一線級のブシャーとも矛を交えて経験値も得た。意味のある派遣だった。

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