
令和6年全日本柔道選手権大会の開幕がいよいよ目前となった。4月29日、日本武道館に今年も全国から精鋭が集う。本番を前に、eJudoでは恒例の「予想座談会」を企画。今回も1回戦から決勝まで全試合の結果を大胆に予想し、みどころを語り合った。読み終わればすべての選手に感情移入、一段も二段も全日本を楽しめること請け合いである。勝ち負けの「外れ」は織り込み済み。全日本を楽しみ尽くすガイドとして存分にお楽しみ頂きたい。
※座談会は4月15日にオンラインで開催されました。
令和6年大会を占う
古田 今年も恒例の全日本柔道選手権・予想座談会を開催いたします。皆さま、宜しくお願いいたします。朝飛 垣田 西森 よろしくお願いします。
古田 読者の皆さんは既によくご存じと思いますが、参加されるお三方を簡単に紹介させて頂きます。

古田 朝飛大先生は日本を代表する指導者で、全日本選手権にも多くの選手を送り込まれています。教え子の羽賀龍之介選手は令和2年大会で優勝、令和3年大会で準優勝、そして昨年の令和5年大会でも決勝に進んだ「令和の全日本」を牽引する選手です。そしてご自身、さらにお父様の朝飛速夫氏もかつてこの大会に出場しており、ひときわ「全日本」に縁の濃いかたでもあります。昨年までは私と一緒に全日本柔道連盟のLIVE中継・場内解説の解説者を務めてもおられました。
朝飛 今回も宜しくお願いいたします。
古田 先日グランドスラム・アンタルヤの解説でも3日間、毎日9時間近くお付き合いいただいたばかり。なんだか朝飛先生とお話ししてばかりの柔道ライフになっていますよ。身に余る贅沢です。
朝飛 今日も、5時間でも6時間でもまったくかまいません(笑)。一晩でも話したいです。ぜひ宜しくお願いいたします。

西森 宜しくお願いいたします。

近畿大卒、旭化成所属。高校3年時にインターハイと全日本ジュニア81kg級で優勝。実業団所属後も81kg級、90kg級、100kg級の3階級で全日本実業個人選手権を制するなどトップ選手として一線で戦い続けた。100kg級では講道館杯で3位3回、2022年には全日本選抜体重別選手権で3位入賞。全日本選手権には9度出場し、2度ベスト4に進んでいる。2022年秋、34歳で現役引退を表明。
垣田 宜しくお願いします。古田さん、また声を掛けて下さり、ありがとうございます。
古田 こちらこそ、忙しい中を縫ってご都合をつけてくださり、ありがとうございます。垣田さんは旭化成所属。平成25(2013)年大会、25歳での初出場を皮切りにこの大会に9度出場し、平成25年大会と令和3(2021)年大会ではみごとベスト4まで勝ち進んでいます。数々の名勝負を通じて全日本選手権という場の魅力を私たちに見せつけてくれた、全日本のまさに名役者です。史上に特筆さるるべき業師であり、勝負師であり、戦略家でした。かねがねこの座談会にいつか参加してもらいたいと狙っていたのですが、現役引退直後の昨年からメンバーに加わって頂くことが出来ました。今回出場する選手にも、実際に組み合って力を測った選手が多い。選手目線での血の通った解説にも大いに期待したいと思います。……昨年のお話は抜群の評判でした。また面白いお話、鋭い観察に期待しております。
垣田 私なりに頑張ってお話させて頂きます。
古田 お三方とも、柔道史・技術に造詣の深いマニアであることはもちろん、なによりひときわ「全日本選手権」という価値に感度高い方々、今年もよろしくお願い致します。例によって私はなるべくなるべく司会に徹して、皆さんの話を引き出す役割という体で進めてまいりたいと思います。

eJudo編集長。全日本柔道選手権では令和2年大会から昨年まで公式LIVE配信の実況・解説を務めた。
令和6年大会のみどころ

古田 さて、まずは「令和6年大会の見どころ」というテーマで、順番に一言ずつお話を聞いていきたいと思います。 垣田さんからお願いしてもよろしいでしょうか。
垣田 まず全体的に言えば、やっぱりルールの変更ですね。どの選手にとっても、そして関係者以外にとってもここが一番の注目どころだと思います。選手も審判も色々なことを考えながら試合をすると思います。お話したいこと、挙げたいみどころは勿論一杯あるのですが、全体を通して言えば、これに絞られるのではないでしょうか。普段の選手の戦い方とはまた違う一面が見られると期待しています。

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