【eJudo’s EYE】手札で頭ひとつ抜けていた瀨川・岐路に立つ皇后盃、いますぐ出来る浮揚策は?/第39回皇后盃全日本女子柔道選手権大会「評」

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文責:古田英毅
Text by Hideki Furuta

皇后盃女子柔道選手権大会、観戦直後の「評」を簡単にお届けする。テーマは「選手について」「新たなルールについて」「大会自体について」の3つ。最重要は3番目。おそらく皇后盃は、残念ながら史上もっともその価値が低くなってしまっている。出場する選手の責任ではない。時世や競技特性ゆえの不可抗力でもない。長期・中期・そして今すぐ。出来ることはいくらでもあるはずだ。

手札で頭ひとつ抜けていた瀨川

初優勝の瀨川麻優

瀨川の優勝には敬服。「いま」の柔道選手が勝利するために必要な手札をきちんと備えていた。状況に応じて複数のゴールがあり、それを可能ならしめる戦型のバリエーションがあり、技・組み手とこれを支える具体的なツールを持っていた。「投げる技」で言えば、重量級の標準装備である順方向の大技やスクランブルの巻込技に加え、落差を利かせた左右の担ぎ技、内側と外側の足技。「作る技」で言えば引き手で近い襟を握っての股中体落や、同じく引き手で近い腕を抱えての内股、支釣込足による蹴り崩し。ゴールで言えば、投技「一本」も狙えるし、「指導」の累積も狙えるし、圧を掛けておいて伏せ際を狙った絞技、関節技・抑込技など寝技もしっかり取る技術がある。1つ1つ見ていくと突飛なものはないし(準々決勝で見せた絞らせたままの逆小内刈は驚きだったが)、勿論満たしていない項もまだまだあるのだが、これだけの数の手札、それも「嘘のない」有効技術ばかりをきちんと装備した重量級選手はなかなかいない。少なくとも、この日の参加者では瀨川が抜けていた。

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