文責:eJudo編集部・小林大悟
体重無差別で女子柔道日本一を決める皇后盃全日本女子柔道選手権大会が4月17日(日)、横浜武道館(横浜市)にて開催される。観客を入れての開催は3年ぶり。時期もコロナ禍2年間の年末開催から本来の4月に復することとなり、久々柔道界の風物詩「4月の横浜」での女王決めが実現することとなった。
出場の栄を得たのは全国の予選を勝ち抜いた精鋭34名に、推薦選手4名を加えた計38名。昨年大会王者の田中志歩(JR東日本)は出場せず、推薦選手は「前年度準優勝者」枠から児玉ひかる(東海大4年)、「東京五輪代表選手」枠から48kg級銀メダリストの渡名喜風南(パーク24)と57kg級銅メダリストの芳田司(コマツ)、「78kg超級世界ランク18位以内」枠から朝比奈沙羅(ビッグツリー)。
まず、優勝候補の名前を2人挙げるところから始めたい。そののちトーナメント各ブロックのみどころ、勝ち上がり展望へと進ませて頂く。
優勝候補は朝比奈と冨田
優勝争いの軸は2021年ブダペスト世界選手権王者の朝比奈と同準優勝の冨田若春(コマツ)。ともに本大会の優勝経験があり、朝比奈が2017年、冨田が2020年に皇后盃を手にしている。
朝比奈は前回出場時の2020年12月、当時高校生だった桑形萌花(三井住友海上)の前に「指導3」を失って初戦で敗れた来歴がある。この時は調整不足が明らかで医学生との二足の草鞋はさすがに難しいと思われたが、6か月後のブダペスト世界選手権では過去最高に近いパフォーマンス披露してみごと優勝。体格と圧をベースに前技・後技をバランス良く使いこなす、自身の強みを生かした戦い方が出来ていた。学業と競技を両立せんと奮闘する中で己の長所が何かをしっかり見つめなおした内省が強く匂う、むしろ「強くなった」と評されるべき好内容だった。あの結果と内容から考える限り、今大会も優勝候補ナンバーワンに推してまず間違いないだろう。不安要素は4月頭の全日本選抜体重別選手権を新型コロナウイルスへの感染により欠場していること。隔離期間を考えると、追い込むべき時期に稽古を積めなかった可能性が高い。実力はナンバーワン、コンディション調整の成否がカギだ。
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