【連載】見る専👀Ayaの場外ケアシステム #015「それぞれの道、グランドスラム・カザフスタンあれこれ」

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著者紹介:Aya

Xの人気アカウント2025judoを運営する、柔道ファン界隈きっての「見上手」。SNS投稿の紹介はもちろん、試合情報に関しても的確なピックアップとわかりやすい紹介が好評、ファンのみならず選手間でもよく知られる。代表選手の中には「これさえ見ていればツアーの流れがわかる」と、このアカウントをウォッチするためにXを始めた方もいるほど。

「ケアシステム」=皆さんご存じの、審判用の試合動画録画・再生システム。技の効果や反則判定のチェックなどに使用されます。正式名称“CARE(Computer Aided Replay)システム”

また一人柔道界から次のステップへの旅立ち

私のコラムでも度々取り上げていた52kg級の強豪、イギリスネコダが、自身のインスタグラムで引退を表明しました。出産を経て、みごとに一線へ復帰してくれたネコダ。パリ五輪後には手首の手術を受け、現在はリハビリ中でした。その期間中に結婚式も挙げ、とても幸せそうな様子が伝わってきました。

ネコダは投稿の中で「2024年から引退を考え始めていましたが、2025年4月、自身の32歳の誕生日に”もう充分やり切った”と思った」と綴っています。

今回、イギリス柔道連盟も正式に発表しており、一線から退くことは確実と見られます。6歳で柔道を始め、16歳でイギリス代表として初の国際大会に出場。その後16年間にわたり、世界の第一線で活躍してきました。「これ以上、家族や健康を犠牲にしてまで続ける気持ちは持てませんでした。今日この決断をし、心から安堵しています」と語っています。

ワールドツアーで16個のメダル、オリンピック代表、そして世界選手権で2つのメダル(銀1、銅1)。多くの栄光を手にしてきた一方で、自らのキャリアを「私は生まれつきのファイターではありません。でも、どんな困難にも立ち向かう粘り強さがありました」と振り返っています。

今後は、自身の柔道場を立ち上げ、指導者としての道を歩む予定で、「柔道を通して、周囲に光を届ける存在でありたい」としています。

前回のコラムでも紹介しましたが、63kg級の女王クラリス・アグベニュー(フランス)選手も第2子の出産を控えて一時休養中であり、ウズベキスタンの52kg級金メダリストのディヨラ・ケルディヨロワ選手も同様に産休。さらに、48kg級の世界王者・モンゴルのバフードルジ・バーサンフーも育休中です。

一流選手としてキャリアを築いてきた彼女たちの姿を見ていると、改めて「出産と競技生活の両立」という課題が、まだまだ女子選手にとって大きな壁であることを痛感します。競技を続けながら家族を築ける男子選手の立場が、羨ましく思えてしまうのも正直なところです。

ネコダ・スミス=デイヴィス(イギリス)

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超級のヌネスも無事出産

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