取材・文:小林大悟・eJudo編集部 写真:落合史生

白帯たちが「東北チャンピオン」の称号目指して熱戦。1月24日から25日に宮城県で行われた全国高等学校柔道選手権大会・東北地区大会で、今年から新設された「無段の部」が開催された。
もともと岩手県や青森県では独自にこの白帯カテゴリを行っていたが、その盛り上がりが昨年の東北大会で話題となり、「ブロック大会もやろう」と主催者が英断。今年は東北6県すべてで県予選が実施され、各県の”白帯代表”がこの場に集うこととなった。
実施カテゴリは男女各2階級(男子73kg級、男子73kg超級、女子57kg級、女子57kg超級)。
試合は初日(24日)の団体戦終了後に実施。開始前には、会津西陵高の遠藤雅一・競技副委員長から「これからは初心者の選手たちが緊張しながら出る、力試し、腕試しの試合となります。所属や学校、男女に関係なく、ぜひ皆さん大きな声援を送ってあげてください。当たり前ですが、どんなに強い人、柔道経験が長い人も、初めはみんな初心者、白帯でした。応援している人たちは試合を見ながら、自分もこんな頃があったなと初心を思い出し、今後の柔道の練習に生かしてほしいと思います」との挨拶があった。
試合は各3名による予選リーグの後、トーナメント形式(57kg超級のみリーグ形式)の決勝ラウンドを実施する形で行われた。開催の狙い通り、全試合が防御や組み手ではなく、技による決着を目指す積極的なものとなった。選手自身の様子は勝って喜ぶ者、悔しさに涙する者と様々だったが、指導者やチームメイトは皆笑顔で健闘を称え、試合内容のストレートさも相まって、終始牧歌的な雰囲気だった。

参加者のバックグラウンドは、小学生時代に柔道経験のある「再開組」や高校から柔道を始めた初心者まで様々。男子2階級はともに「再開組」が、女子2階級はいずれも高校から柔道を始めた選手が制した。
男子73kg級は奈良逞生(青森・木造高)が豪快な投げを次々決めて優勝。決勝では水戸洸之介(宮城・仙台工高)を51秒の右内股「一本」で退けた。73kg超級は、大峠栄喜(青森・八戸工高)が制した。パワーを生かした寝技を武器に接戦の連続を勝ち上がり、決勝では横山快翔(福島・会津農林高)を2分56秒、右内股「有効」からの裏固「一本」で破った。

奈良は小学生の頃に6年間柔道を経験、高校は当初サッカー部に入ったが「メンタルを鍛え直したい」と柔道部の門を叩いた。戦後は「これから黒帯を付けて、さらに高い結果を目指したい」とメダルを胸に誇らしげ。大峠は中学3年間は柔道から離れたが「もう一度挑戦したい」と高校で再開。「いい経験になった」と楽しそうだった。

女子57kg級は佐藤凛音(山形・東海大山形高)、リーグ戦で行われた同57kg超級は齊藤寧彩(青森・三本木高)が制した。
佐藤は予選リーグ2試合をともに「一本」で勝ち上がると、決勝では鈴木花奈(宮城・多賀城高)に旗判定で競り勝った。試合後は「まだまだ黒帯とは差があるのですが、総体で県優勝してインターハイに出ることが目標」と意気軒高。
齊藤は一本勝ち2つで文句なしの優勝。「得意技は大外刈」とメダルを胸に誇らしげだった。
実施を牽引した遠藤競技副委員長は「高校1年生から始めても同じレベルの相手と戦うことが出来るというのは普及に非常に大事だと思いますし、『俺、東北大会に出たんだぞ』と言えるのは、東北ではかなり大きな名誉なんです。ブロック大会にこういう部門があることで、勧誘もしやすくなってくれれば」とコメント。盛り上がりを眺めながら、「全国に広がって欲しいですね」と手ごたえを感じている様子だった。
試合結果と優勝者コメント、競技の様子は下記から。遠藤副委員長のインタビューは別掲。
男子73kg級

(エントリー12名)
成績上位者
優 勝:奈良逞生(木造高)
準優勝:水戸洸之介(仙台工高)
第三位:菊池涼介(大槌高)、近江一真(秋田高専)
奈良逞生選手のコメント
「柔道歴は小学生の頃に6年間と、高校で半年です。最初はサッカー部に入部したのですが、自分自身のメンタルの弱さで少しグレそうになってしまい、鍛え直そうと柔道部に入りました。得意技は払腰です。(ー今後の目標は?)これから黒帯を着けて、さらに高い結果を目指し、頑張ろうと思います。(ー無段の部が設立されたことについて)自信になりました。」
準決勝
奈良逞生(木造高)○優勢[有効]△菊池涼介(大槌高)
水戸洸之介(仙台工高)○不戦△近江一真(秋田高専)
決勝
奈良逞生○内股(0:51)△水戸洸之介
男子73kg超級

(エントリー12名)
成績上位者
優 勝:大峠栄喜(八戸工高)
準優勝:横山快翔(会津農林高)
第三位:小野寺大和(花巻農高)、中本蒼生(平工高)
大峠栄喜選手のコメント
「小学生で6年間。中学ではやらなかったのですが、もう一度挑戦したいと思い、また高校から始めました。得意技は内股です。(ー今後の目標は?)次は有段の部で結果が残せるように頑張ります。(ー無段の部が設立されたことについて)初心者や色々な人にとって良い経験になるので、とても良いと思います。」
準決勝
横山快翔(会津農林高)○優勢[技あり]△小野寺大和(花巻農高)
大峠栄喜(八戸工高)○優勢[旗判定]△中本蒼生(平工高)
決勝
大峠栄喜○裏固(2:56)△横山快翔

女子57kg級

(エントリー12名)
成績上位者
優 勝:佐藤凛音(東海大山形高)
準優勝:鈴木花奈(多賀城高)
第三位:佐藤舞優(久慈翔北高)、佐藤陽鞠(福島東高
佐藤凛音選手のコメント
「柔道は高校から始めました。得意技はあまりないのですが、寝技が得意です。(ー今後の目標は?)まだ差はあるのですが、春の総体で県で優勝して、インターハイに出ることです。(ー無段の部が設立されたことについて)あまり勝つ機会がなかったので、自信に繋がりました。」
準決勝
佐藤凛音(東海大山形高)○優勢[技あり]△佐藤舞優(久慈翔北高)
鈴木花奈(多賀城高)○優勢[旗判定]△佐藤陽鞠(福島東高)
決勝
佐藤凛音○優勢[旗判定]△鈴木花奈
女子57kg超級

(エントリー9名)
成績上位者
優 勝:齊藤寧彩(三本木高)
準優勝:小関藍(米沢興譲館高)
第三位:田村彩花(南昌みらい高)
齊藤寧彩選手のコメント
「柔道は高校生になってから始めました。得意技は大外刈です。(ー今後の目標は?)また勝てるように頑張ります。」
決勝リーグ
齊藤寧彩(三本木高)○合技(3:16)△小関藍(米沢興譲館高)
齊藤寧彩(三本木高)○横四方固(0:56)△田村彩花(南昌みらい高)
小関藍(米沢興譲館高)○合技(1:53)△田村彩花(南昌みらい高)

予選リーグの様子

















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