【インタビュー】ブロック大会に「白帯戦」新設、実施牽引した遠藤雅一・競技副委員長に聞く

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「県代表」の栄を背負った白帯たちが、熱戦を繰り広げた。

1月24日から25日に大崎市古川総合体育館・タカカツアリーナ大崎(宮城県大崎市)で行われた第48回全国高等学校柔道選手権大会・東北地区大会で「無段の部」が初開催。「小学生の時にやっていた」(男子73kg級優勝・奈良逞生選手)、「高校から始めた」(女子57kg級・佐藤凛音選手)と様々なバックグラウンドを持つ白帯の「県代表選手」たちが熱戦を繰り広げ、会場は大いに盛り上がった。

「やりがい」にフォーカスした競技レベル別のイベント開催の気運盛り上がる中ではあるが、高体連主催の歴とした公式大会、それもブロック大会という大舞台で、しかも県予選を経ての白帯戦開催となるとおそらく史上初。開催の経緯や意義を、実質上の企画者として実施を牽引した遠藤雅一・大会競技副委員長にお聞きした。

『俺、東北大会に出たんだぞ』は普及に大きな効果、プリミティブな『投げ合い』に魅力あり/遠藤雅一・大会競技副委員長

東北地区大会での無段の部設立を主導した、遠藤雅一競技副委員長

――無段の部設立の経緯について、聞かせてください。

高校から始めた初心者の多くは、半年くらい練習して秋の新人戦からデビュー出来ます。でも、出てみたら黒帯ばかりで、力の差があって何も出来ないまま負けてしまう。昨年の東北大会の際に、それをなんとか出来ないものかと世間話くらいの感じで話したところ、青森と岩手はすでに白帯だけの大会をやっているとわかりました。それならば私の所属である福島県でもやろうということになり、せっかくだから残りの県もやって、どうせならブロック大会までやってしまおうぜ、という話になりました。体重区分や試合方法などまだ固まり切っていない部分はありますが、まずはやってみて、問題点や課題があったら修正していきましょうという形です。

――期待することについて。

私はこの白帯の部にすごく期待をしています。白帯はディフェンスも組み手争いもしないですよね。背負投とか大外刈がどんどん決まったり、スタミナが切れてヘロヘロになったり、そういう素の試合を、こういう大きな舞台でしてもらう。それを見ることで、応援の黒帯の子だとか保護者に初心に帰ってもらって、それを自分の柔道、今後の練習に生かしてもらえればと考えています。

――柔道本来の魅力の発見と、黒帯への相乗効果。いいですね!このカテゴリ、今後の展望はいかがお考えですか?

全国に広がってくれればと考えています。私も伝えていきますし、メディアの皆さんにも協力してもらえればと考えています。今は、私が知る限りでは近畿ブロックさんがオープン参加で行っているくらいでしょうか。冬のブロック大会を行っていない地区もありますが、県レベルでも意味があると思います。むしろ、県大会をやるから箔が付くというか、県チャンピオンが集うからこそ選手のやる気も上がる。うち(会津西陵高)の部員で昨年、初心者で柔道を始めて、そのあと練習にあまり来なくなってしまっていた子がいたのですが、2年生になって復活して、今回は県3位。あと一歩届かず、この大会には出られませんでした。その子は昨日からもっと頑張れば良かったなってすごく悔しがっていて、白帯の部の存在がモチベーションになっている。柔道の普及という面においても、大きな効果が期待出来ると思います。1年生から始めても同じレベルの相手と戦うことが出来て、『俺、東北大会に出たんだぞ』と誇ることが出来る。東北に住んでいて、これを言えることはやはりかなり意味のあることなんです。柔道という競技を高校から始める敷居は率直に言って高いと思うのですが、こういった部門があることで、勧誘の難しさもかなり変わるのではと思います。ちなみに、うちの今日の団対戦のメンバー7人のうち、黒帯で入ってきた子は2人だけです。白帯で入ってきた子はみんな『なんで僕達の時は白帯の部がなかったんですか!出たかった!』と言うんですね。彼らには、君たちのお陰でこれが出来たんだよと話しています。

――話が変わりますが、応援席の最前列を今試合をしているチームの席とする仕組みを考えたのも、先生だとお聞きしました。

その話ですか(笑)。平成29年に郡山でインターハイを行った際に、考えました。会場の収容人数や場所取りの列の解消のため、県ごとに枠を設けたのですが、それだとどうしても試合会場が遠くなってしまう場合がある。やはり自分のチームの応援は近くでしたい。そこで、最前列は常に空けて、今試合をしているチームの関係者が交代制で応援する場所としました。柔道MINDというか、譲り合いの精神で皆さん上手く回してくれるし、ガンガン盛り上がってくれた。これをきっかけに全国に定着してくれた形です。バスケットボールやバレーボールなんかは丸ごと入れ替えるそうですが、柔道は試合時間が短いし、その後の試合もすぐなので、固定席と入れ替え席を合わせた形です。こちらは定着していませんが、一部では『遠藤シート』などとも呼ばれているようです。仕切りとしても、県ごとに固定枠を作れば良いだけなので、以前よりも準備が容易になりました。

――来年も「無段の部」は続けてくれますか?

各県の先生方の協力を得て、ぜひ続けたいと思っております。スケジュールや体重区分、試合形式など意見を頂きながら、より良い形にしていきたいですね。

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