【概況解説・シード予想】絶対のV候補阿部詩がシード外、ドローの結果に注目集まる/タシケント世界選手権2022・女子52kg級

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階級概況

52kg級実力推測マップ。阿部詩の力が他を圧している。

52kg級史に一時代を築いたリオデジャネイロ五輪金メダリスト、マイリンダ・ケルメンディ(コソボ)が引退。同じく世界大会の表彰台常連だったナタリア・クズティナ(ロシア)もロシアのウクライナ侵攻の影響もあって事実上の引退状態となり、シャーリン・ファンスニック(ベルギー)、アンドレア・キトゥ(ルーマニア)、ギリ・コーヘン(イスラエル)らも五輪以来姿を見せていない。「名前」だけでいえば大物がごっそり抜けたということになる。ただし、この52kg級は五輪前にこれらのベテランを追い掛ける勢力が急激にレベルアップした階級。プップ・レカ(ハンガリー)やディヨラ・ケルディヨロワ(ウズベキスタン)らの成長、さらに東京五輪48kg級金メダリストのディストリア・クラスニキ(コソボ)の52kg級復帰もあって、上記大物たちが消えた影響は最小限。全体のレベルはそこまで落ちていない。ただし、他の階級では上位層の離脱と下位層の成長がクロスして全体の力関係が詰まる傾向があるが、この階級では下位層(勢力マップの第2グループ以下)があまり伸びておらず、むしろ差は広がった。メダルを狙える選手とそうでない選手がはっきりしている階級でもある。

V候補筆頭は阿部詩。「肩の不安がなくなった」いまの身体能力は、ハンデを負ったまま戦った五輪を超えると考えられる。
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