階級概況
2021年ハンガリー世界選手権2位で日本勢の最大のライバルでもあったマヌエル・ロンバルド(イタリア)と、東京五輪の銅メダリストで胸に入れた「家族」のタトゥーで話題となったダニエル・カルグニン(ブラジル)が73kg級に階級を変更。長く上位で戦い続けたゲオルギー・ザンタライア(ウクライナ)も畳を離れた。とはいえ消えた選手はこのくらい。他の上位選手は五輪後も精力的に大会に出場しており、全体のレベルはさほど変わっていない。
優勝候補は阿部一二三(パーク24)と丸山城志郎(ミキハウス)の日本勢2人。阿部は東京五輪金メダリスト、丸山は世界選手権を2連覇中。この世界王者2人による対決が最大の注目ポイントだ。来年の世界選手権が異例の5月開催となり、パリ五輪の代表決定スケジュールが次々前に倒れてくる中、今回の結果が代表争いに与える影響は極めて大きい。どちらにとっても絶対に負けられない戦いだ。
直接対決は2019年のグランドスラム大阪、2020年12月の代表決定戦、今年4月の全日本選抜体重別選手権と阿部が3連勝中。直近の選抜対級別では、阿部が「引き手を持たせない」「先手攻撃の徹底」「組み合ったら足技で攻める」という代表決定戦で確立した対丸山の戦法を徹底することで、これまでの対決では最も安定した内容で勝利を収めている。ただし、この試合は双方ともに死力を尽くしたというよりは「本番」となる今大会での再戦を見越して、手の内を隠したまま戦っていたという印象が強い。あれから半年、両者がどのような戦いを見せるのか。非常に楽しみだ。
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