階級概況
トップ層で五輪後に引退を表明した選手はおらず、対象をもう少し広げても明確に引退を表明したのは大ベテランのザブリナ・フィルツモザー(オーストリア)くらい。ドルジスレン・スミヤ(モンゴル)やミリアム・ローパー(パナマ)ら五輪を最後に姿を見せていない選手はいるが、東京五輪直前の勢力図を考えれば、欠けた選手はほぼいないと言っていい。それどころか、ドーピング問題で謹慎していたラファエラ・シウバ(ブラジル)の復帰に舟久保遥香(三井住友海上)の躍進、ダリア・ビロディド(ウクライナ)の加入、新星ホ・ミミ(韓国)の出現など、プラス要素が目白押し。他の階級とはまったく様相が違う。もともと選手層の厚い階級だが、さらに一段レベルが上がった印象だ。
今大会には東京五輪金メダリストのノラ・ジャコヴァ(コソボ)と同銅メダリストの芳田司(コマツ)が出場しておらず、ほかにも2021年ハンガリー世界選手権2位の玉置桃(三井住友海上)にテルマ・モンテイロ(ポルトガル)、ダリア・クルボンママドワ(ロシア)ら上位陣の欠けが目立つ。若干の物足りなさは感じるが、この欠損は2019年世界王者の出口クリスタ(カナダ)や舟久保、シウバらの東京五輪には出場していない強豪たちがしっかり埋めている。トーナメントのレベルは少なくとも五輪と同等。世界一を決するに相応しい豪華な顔ぶれだ。
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