【eJudo’s EYE】パンターノの”空転式内巻込”、フィゲロアの”後分”/タシケント世界柔道選手権2022第1日「きょうの技術」 

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文責:古田英毅
Text by Hideki Furuta

アンジェロ・パンターノ。試合の結果は尻すぼみになってしまったが、面白い技を見せてくれた。

世界選手権は最新技術の品評会。世界の柔道家たちが知恵を絞り、体を張って開発した「技」が日の目を見る場所でもある。昨今の海外選手は力や体格に頼って無理押しの技を考えるのではなく、理合の芯を理解して「ではこれを実現するパーツとして代わりになるものはないか」「自分の持ち札でこの理屈を実現する方法はないか」と考えたとしか思われないような、理に適った技を持ち込んでくることが多い。

海外選手のこういった行動が、オーソドックス技で育った我々日本人の理合の理解を進めてくれることが面白い。筆者はゼリム・コツォイエフ(アゼルバイジャン)の変則釣込腰から「釣り手が果たす機能」の芯は何かを考えさせられ、以降技(特に前技)理解、そしてオーソドックス投技指導のアプローチがまったく変わった。「掛かる技」にはやはり事の本質が潜んでいるものなのである。

と大げさな出だしになってしまったが、せっかくの世界選手権、目についた面白い技をメモしていく備忘録的なものが出来ればと思い、このコーナーを立ち上げた次第。必ずしも毎日これというものが出るとは限らず、流行りの技紹介に留まるときもあるかもしれないし、単に「いい技だった」で終わる場合もあるかもしれない。が、昨年来あまりに目先の試合に追われて書きたいことを書く時間もなく、アウトプット不足でフラストレーションが溜まっている筆者の癒しの意味も込めて、まずはやってみたい。お付き合い願いたい。写真がなくて恐縮なのだが、なるべく試合映像のリンクを張って、動画が見られるようにしたいと思う。

アンジェロ・パンターノの“空転式内巻込

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