エントリーは47名。シード順を決定する基準が、例年の「大会直前のランキング」から「7月のグランプリ・ザグレブ終了時のランキング」に急遽変更され、シード順も「概況解説・シード予想」で示した予想から大きく変わった。
優勝候補グループは永瀬貴規(旭化成)とタト・グリガラシヴィリ(ジョージア)がプールA、サイード・モラエイ(アゼルバイジャン)がプールB、マティアス・カッス(ベルギー)がプールC。さらに今大会最大の不確定要素と目されるイ・ジョンファン(韓国)もプールBに配され、全体として強豪が上側に偏ったトーナメントとなった。とはいえ、そもそも81kg級は「嵌れば優勝」の力を持つ選手ばかりが揃う戦国階級。下側の山も前述のカッスを始め、シャミル・ボルチャシヴィリ(オーストリア)に藤原崇太郎(旭化成)、ヴェダット・アルバイラク(トルコ)、シャロフディン・ボルタボエフ(ウズベキスタン)、フランク・デヴィト(オランダ)と他の階級なら最激戦区と呼べる密度。この階級に楽に勝ち上がれる安全地帯など存在しない。
日本代表の永瀬と藤原も、当然のように序盤から強豪との連戦が組まれた。永瀬は前述のとおり準々決勝にグリガラシヴィリとの対戦が予想されるのみらならず、初戦(2回戦)からいきなりヌグザリ・タタラシヴィリ(UAE)、続く3回戦ではサミ・シュシ(ベルギー)とウラジミール・ゾロエフ(キルギス)の勝者の挑戦を受けることになる。一方の藤原は1、2回戦こそ上位陣との戦いを回避できたものの、3回戦の相手は2019年東京世界選手権と2020年グランドスラム・パリの東京五輪の代表選考大会で2度敗れ、これまでキャリアの壁となってきたボルタボエフ。今年2月のグランドスラム・パリでは勝利して戦績を1勝2敗としているが、相性的に決して戦いやすいとは言い難い強敵である。そして、この選手に勝たなければ敗者復活ラウンドに進むことすらできない。
詳しい予想は続くプールごとの展望に譲るが、どの山も序盤戦から好カードの連続。トイレ休憩すら躊躇される豪華な1日だ。
有力選手の配置、各プールの勝ち上がり展望は下記。有力選手の特徴については「選手名鑑」を、勢力図については「階級概況」を、組み合わせ山組は公式サイトで確認のこと。
【プールA】
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