エントリーは41名。シード順を決定する基準が、例年の「大会直前のランキング」から「7月のグランプリ・ザグレブ終了時のランキング」に急遽変更され、シード順も「概況解説・シード予想」で示した予想から大きく変わった。
優勝候補のジョルジ・フォンセカ(ポルトガル)は変わらず第1シード配置。第1グループ(「概況解説」参照)の選手は日本代表の飯田健太郎(旭化成)以外の全員がシードに置かれ、トーナメント全体にバランス良く散らばった。最大の不確定要素であるムザファルベク・ツロボエフ(ウズベキスタン)は、プールC下側の山を引き、3回戦でシード選手のヴァルラム・リパルテリアニ(ジョージア)とマッチアップする。
シード枠から外れた飯田は、結果的には当初の予定と同じくフォンセカがAシード位置に座るプールAに配された。ただし、シード選手として準々決勝でフォンセカと対戦するはずだった変更前の組み合わせから1試合早まり、3回戦でフォンセカと対戦せねばならない過酷な配置となっている。
飯田vsフォンセカの戦績は飯田の2勝1敗。しかし、最後の対戦が2018年でこれはフォンセカの覚醒前、参考程度の意味しか持たない。試合内容の予想は「概況解説・シード予想」で触れているため割愛するが、最重要ポイントは飯田がいかに早く組み、先手攻撃を仕掛けることができるか。加えてフォンセカのコンディションも変数としてかなり大きく、まずは2回戦のアスレイ・ゴンザレス(ルーマニア)との試合でその調子のほどを測りたい。なお、飯田は1回戦の相手にもシメオン・カタリナ(オランダ)を引いており、この試合も相性的にかなり厳しい戦いになると予想される。カタリナは密着系のパワーファイターで、飯田が最も苦手とするタイプの相手。密着されるとそのまま投げられてしまう可能性もあり、いかに厳しい組み手と間合いの管理を徹底できるかが極めて重要だ。この試合の飯田の戦いから、その仕上がりぶりを確認したい。
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