大会オーバービュー、第1日6階級みどころ/グランドスラム東京2022

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【オーバービュー】大会のメインテーマは日本人対決

開会を待つ会場。(全日本柔道連盟SNSより)

日本国内で行われる唯一の国際大会であるグランドスラム東京。例年のようなメダルクラスの大物の競演に期待したいところであるが、全体として海外選手に強豪の影は薄い。この大会は最強国日本の選手が1階級に4人出場するという、そもそも海外勢にとってはエントリーの心理的ハードルがかなり高いイベント。加えて今年は日程がきつい。世界選手権が10月に倒れ、以降グランドスラム・アブダビにグランドスラム・バクーと比較的アクセスしやすい場所で高配点大会が続き、しかも2週間後には再び中東に場所を戻してワールドマスターズという大一番が控えている。強豪選手は既にアブダビやバクーでポイントを獲得済みで、わざわざ東アジアまで遠征して上位入賞の可能性が低い大会に出場するメリットは薄い。複数選手が来日して出稽古に勤しんでいるお隣韓国チームですら、出場する選手はかなり絞っているとの情報。今年は海外の強豪、特に欧州の選手にとっては例年以上に出場することが難しい大会であったようだ。

必然的に今大会のメインテーマは日本人対決ということになる。いわずもがな、この大会はドーハ世界選手権(2023年5月7日~14日)の第2次代表選考会を兼ねる。48kg級の角田夏実(了徳寺大職)、52kg級の阿部詩(日本体育大4年)、63kg級の堀川恵(パーク24)の3人はこの大会で優勝すればその時点で代表確定。男子は髙藤直寿(パーク24)、阿部一二三(パーク24)の世界王者2人が出場を回避して、今大会での代表決定はなし。斉藤立(国士館大3年)と大野将平(旭化成)も欠場してファンの視点からは少々寂しい大会になってしまったが、国内を勝ち上がって来た選手にとって年に1回訪れるかどうかの貴重な「下克上」の場であることは変わらない。たとえ新顔であっても、日本人同士の直接対決を制して優勝となれば一気に1番手への挑戦権を得られる可能性すらある。代表決定のスケジュールが短くなった(12月下旬~1月下旬に決定)ため、選考におけるこの大会の重要度は例年よりも遥かに高い。建前ではなく、パリまでの運命を決める大会と言っていいだろう。熱戦に期待したい。

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