取材・文:古田英毅
写真:乾晋也・辺見真也
【準決勝まで】
世界王者角田は立川に苦杯、今大会の内定はならず
世界選手権を連覇中、10月のタシケント大会ではほぼ全試合を「秒殺」で決めた角田夏実(了徳寺大職)はもちろん第1シード。この日も順調な勝ち上がりを見せた。
まず初戦(2回戦)はメラニー・ヴュー(フランス)とマッチアップ。ヴューは昨年度欧州U23選手権の覇者で、7月のグランプリ・ザグレブでは古賀若菜(山梨学院大3年)と決勝を争ってもいる。ノーシードながら今大会の海外勢ではむしろ強者の位置づけなのだが、角田はまったく相手にしない。開始13秒に得意の両足巴投でまず「技有」確保、32秒にはふたたび巴投で今度は「一本」を奪って勝負を決めた。両手で上腕を掴んだまま懐に飛び込むと、耐えて剛体となった相手の膕にまず爪先を入れ、膝を伸ばして持ち上げ、相手の腹の上を両足裏で歩いて上方に送り出した、これぞ「角田巴」の典型という技術だった。
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