【レポート①】国士舘が順当にベスト4入り、埼玉栄は痛恨の1敗も総得点で生き残る/第36回國學院大學松尾三郎杯争奪全国選抜高等学校柔道大会(予選リーグ)

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取材(写真・文):古田英毅

第36回國學院大學松尾三郎杯争奪全国選抜高等学校柔道大会が12月25日、國學院大學たまプラーザキャンパスで行われた。ここ10年ほどで存在感がさらに高まり、参加校数・レベルともに冬季招待試合シリーズの最高峰と位置付けられるに至ったこの大会だが、コロナ禍の影響もあって今年度は縮小開催。出場を許されたのは僅か16校のみ、レギュレーションも体重別制(73kg・90kg・100kg・無差別・無差別)に改められた。全国高校選手権本番に向けた具体的な勝ち味の測定という例年の文脈は少々失われたが、それでもチーム力を測る機会としては十分。参加校も強豪揃いで、今シリーズ屈指の注目大会であることには変わりない。

優勝候補の筆頭は夏のインターハイを制した国士舘高(東京)。今シリーズも18日の黒潮旗に23日の「いちご一会栃木国体開催記念」大会と連勝してきた新シーズンの主役だ。川端倖明・畠山凱・山本由聖・若崎喜志のポイントゲッター4枚のうち、この日はレギュレーション上「川端(90kg級)+1人」の計2枚しか使えないことになり、レギュラー争いの渦中にある残り3名がどこまで戦えるかがこの日のカギになる。

続いて黒潮旗で国士舘と決勝を争った埼玉栄高(埼玉)の名前が挙がる。2021年全国中学校大会最重量級の覇者・平野匠啓が1年生ながらエースを張るこのチームはもともとメンバーの体格に凹凸があり、次鋒以降はほぼフルメンバーに近い形での布陣が可能。先鋒枠の奮闘と、100kg級の平野と堀悠隼、100kg超級の峰優月・饒平名和貴と揃った副将・大将枠の取り回しが勝負のカギを握る。

大会は16校を4校ずつ4つのパートに分けての予選リーグからスタート。各パートの上位1校が決勝トーナメント(準決勝)に進むという形で行われた。本稿では上記2校と1位抜けチームの戦いを中心に、まず予選リーグの模様を簡単にお伝えする。

※全試合の対戦詳細(記録)は別掲します。
※試合時間は予選リーグ3分、準決勝以降は4分、試合ごとの選手・配列入れ替え可。

予選リーグ

Aパート

国士舘高(東京) 、東海大仰星高(大阪)、長崎日大高(長崎)、松本第一高(長野)

第1試合に臨む国士舘高

V候補筆頭の国士舘が初戦から登場。この日のレギュラーは久保井亜門(体重73キロ)、川端倖明(90キロ)、高橋龍虎(81キロ)、深澤絆(91キロ)、畠山凱(120キロ)。登録上は他に嶋田圭吾(70キロ)、山本由聖(120キロ)、冨田猛瑠(100キロ)を合わせた計8名がエントリーしているが、今大会は第1試合に先発したこの5人で全試合を賄った。

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