文・写真:古田英毅
全日本柔道連盟主催の新大会「全日本シニア柔道体重別選手権大会」が19日、大浜だいしんアリーナ(堺市立大浜体育館)で行われた。強化選手以外の社会人の試合が極端に少ない実情を考慮して創設されたこの大会、各階級の優勝者1名には次回2023年の講道館杯出場枠が与えられる。貴重な機会を生かさんと、また早い段階で世界に繋がる大会の出場権を得んと、女子も7階級で熱戦が繰り広げられた。
63kg級は強化選手として数々の国際大会を戦って来た能智亜衣美(了德寺大職)が隙を見せずに優勝。1回戦で杵淵萌(コマツ)をGS延長戦の大外刈「技有」、準々決勝で塔本葵葉(警視庁)を送襟絞「一本」、準決勝は飯島彩加(センコー)をGS延長戦「指導3」と手堅く下すと、迎えた決勝は準々決勝で佐藤史織(ミキハウス)を肩車「技有」で破るなど好調の田坂冴(ヤックス)とマッチアップ。ともに「指導2」で迎えたGS延長戦58秒、組み勝ったまま相手を前に歩かせて防壁をはがすと、思い切った右内股「一本」で勝負を決めた。試合後、感想を問われると「最近結果が出てない中で最後まで勝てて良かったこと、久しぶりに階級別に出て楽しかったこと」と実績ある選手らしく落ち着いた表情で1日を振り返り「いままで2回しか勝ったことのない、寝技で勝てたことが収穫でした」とこの時だけは顔をほころばせた。次の戦いの場は1か月後に迫った関東女子選手権(皇后盃関東予選)。柔道人生の目標に掲げる「皇后盃ベスト4以上」を達成すべく「少しでも高いところに行く」と腕を撫していた。
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