【ニュース】大野将平が会見、パリ五輪は目指さずイギリスへ指導者留学

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会見に臨んだ大野将平

73kg級でリオ、東京とオリンピック2連覇を果たした大野将平(旭化成)が7日に都内で記者会見し、来年度からイギリスに留学し2年間の指導者研修に臨むことを明らかにした。3連覇が掛かる2024年パリ五輪の代表選考には参加しない。

競技生活には形上の区切りがつくこととなったが、「柔道家に引退はない」と強調。「一生が修行だと思っている。引退だとか一線を引くだとか、小さな枠組みで捉えてほしくない」と己の姿勢を語った。

会見は「質問にはすべて応えたい」との大野の意向で予定の1時間をオーバー。複数のメディアに多くを語る形の少ない大野にとっては異例のこと。時間、内容とも「ロングインタビュー」と言っていいレベルの濃さだった。

【モチベーション】
「(いまの73kg級に)やりたい選手がいなくなった」こと、「(地元開催の)東京オリンピックで2連覇達成という感動、成功体験を超えるものがこの先ないであろうこと」ことを挙げた。
前者については、リオデジャネイロ五輪金メダルに向けて日本人世界王者たちと繰り広げた激しい代表争いや、講道学舎の先輩である海老沼匡の「背中を追いかけていれば良かった」修行の姿勢と、「気づいたら背中を追いかけるライバルがいなかった」「乗り越えるべきは自分しかなかった」「自分の身を削る戦いだった」と孤独だった2連覇への道程を比較。これを乗り越えた後にライバルがいなくなり、現環境で「心が燃えない」心境を吐露した。

【ヨーロッパという選択】
留学先にイギリスを選んだ理由については、ヨーロッパの柔道に対する「人気や熱量」を挙げた。背景として「日本柔道は金メダルを獲るのが当たり前で、そのハードルの高さをやりがいに競技生活を送って来た反面、評価されない切なさを感じて来た」と、高みを目指すほど逆に“金メダリストの1人”として埋没することとなってしまった構図と国内の評価に対する複雑な心境を吐露。大野をオンリーワンとして熱狂的に迎え続けるヨーロッパに「まだ人気があるうちに踏み込んで、国際大会の盛り上がりやその場にいないとわからない裏側を感じたい」と語った。

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