【eJudo’s EYE】3/5組み合わせ抽選、eJudo版「団体戦シード校」を考える/第44回全国高等学校柔道選手権大会

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開催まであと2週間。今年も日本武道館に全国の高校生が集う。

文責:古田英毅
Text by Hideki Furuta

コロナ禍によって都道府県予選は延期の連続。本戦の試合数を減らすために既に東北・近畿等で予選が終わっていた12月下旬になって男子団体戦の試合形式を「点取り制」に改め、組み合わせ抽選も3週間延期されるなどバタバタ続きであったが、ぎりぎりでなんとか全都道府県の代表が出揃った。どうやら開催出来そうだ。

第44回全国高等学校柔道選手権大会(3月20日~21日)の組み合わせ抽選会がいよいよ明日、5日の夕方に迫った。予選が行えず秋の新人戦の優勝者・優勝校をそのまま推薦するしかなかった県もあるが、兎にも角にも、ここまで漕ぎつけた。関係者の労苦に敬意を表したい。

というわけで恒例の企画を。第42回大会(※大会は中止)以来の団体戦「シード校予想」を試みたい。ご存じの通りこの大会は主催者が当代の各校戦力を精査し、過去の実績に捉われ過ぎず「この代で強いチーム」をシード8校に選ぶことが恒例となっている。eJudoではこれを「読む」ことがすなわち大会の展望、強豪各校の紹介になると考え、冬季招待試合シリーズを中心とした現場取材に基づいて毎年「eJudo版・高校選手権シード校」を発表して来た。今回もこれを試みる。

ただし、今年は参考になる大会がほとんど実施されていない。松尾三郎杯、水田三喜男杯、若潮杯武道大会といった大規模ハイレベル大会は軒並み中止となっており、今代の選手はここまで全国レベルで力比べをする機会自体がほとんどなかった。主催者が例年通りに「過去の実績に捉われず当代の戦力を精査する」ことは、率直に言って難しい状況だ。そもそもシードは行われるのか、シード制度を続ける意味があるのかが問われるレベルだと思う。

筆者個人としては、今回はシード制を廃してかつてのインターハイのように完全抽選、フルシャッフルで組み合わせを決めてもいいと思う。地方のチームにチャンスを与えるためにも、むしろこれを積極的に推したいくらいだ。これまでも、なんのかんので無名チームがシード権を得るには単に強豪校との純戦力比べで上回ることだけでは足りず、力的にも成績的にもかなりのインパクトが要った。コロナ禍を機に、前代の強さが今代の勝利を呼ぶ強豪校優位のスパイラルをいったんリセットするのも、悪くない。

現実的に主催者がここまで思い切った策をとる可能性は低い。ただし、これまで通り「第1から第8まで序列をつけて実力評価順にシード8校を選ぶ」というのも、実務として難しいのではないか。たとえばシードを4校のみにする(誰もが納得できる選考はこのくらいが適当だと思う)、あるいは序列をつけずに8校を選んでその中で配置抽選を行う、など様々な可能性が考えられるが、ここでは仮に「Aシード(四つ角)4校」と「Bシード4校」に分けての選抜という括りで、従来通りに8校をピックアップしてみたい。生の試合にどっぷり漬かって各校の戦いぶりを観察して来た例年に比べると解像度はかなり落ちるが、ご容赦頂きたい。

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