文責:古田英毅
Text by Hideki Furuta
きょう5日、グランドスラム・バクー2021が開幕する。今年7つ目のグランドスラム大会、9月のGPザグレブ、10月のGSパリに続く、オリンピック終了後3つ目のIJFワールドツアー大会だ。
上半期の大会日程が超過密だったことや、パリ五輪ポイント獲得レースがまだスタートしていないことなどもあり、東京五輪で活躍した一線級の選手たちはごく一部を除いてまだ休養中。日程が被った欧州U-23選手権と若手有望選手の参加を「割った」こともあって、全体的に海外選手のレベルは高くない。エントリー数も多くなく、1人の「個」の参加がそのままトーナメントの色を決めてしまう状態だ。
しかしファンとしては絶対に見逃せない大会である。みどころは日本代表、特に男子代表の戦いぶりにある。野心的な派遣、かなり大胆なメンバーだ。昨年の講道館杯と今春の全日本選抜体重別で活躍した、かつブダペスト世界選手権代表(≒10月のグランドスラム・パリ代表)に続く選手たちという建て前はあるが、機械的な序列だけでメンバーが決められたわけではない。キーワードは明らかに「若さ」、そして将来性。100kg超級の斉藤立(国士舘大2年)や、まだシニアで実績を残していない60kg級の近藤隼斗(国士舘大2年)らのピックアップにこのあたり端的だ。いよいよ鈴木体制が色を出し始めた大会であり、人材供給環境が細くなっていく中、そして時間が極めて限られる中で2024年のパリ五輪を勝たねばならないという危機感が生々しく感じられるメンバーである。鈴木体制の「本気」がビリビリ伝わってくる。
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