文責:古田英毅
Text by Hideki Furuta
グランプリ・ザグレブの日本代表6名「採点表」をお届する。もっとも重きを置くのは常の通り、「己の力を出せたかどうか」。
男女で採点がかなり分かれた。女子は今回最高点の阿部詩、そして古賀若菜ともに非の打ちどころのない出来。特に阿部は「完全復活」と断じて良いスーパーパフォーマンス。ハイシーズン大会ではないが、ここまで条件を揃えればもはや関係なし。当然点は高くなる。
男子は古賀玄暉、佐々木健志、羽賀龍之介の3名が同点でワースト採点。3名ともにおそらく本人も自覚しているであろうかねての課題、同じ失敗を繰り返してしまった。今回のパフォーマンスという「点」、そして変化の有無という「線」の観点から点を減じた。
女子
48kg級 古賀若菜(山梨学院大3年) 6.0
成績:優勝
全試合2分掛からず一本勝ち。動きが切れていた。変わらず「立ちから寝」も速く、寝勝負の選択も的確。隙がない。評価すべき上積みポイントとしては、背負投をきちんと機能させていたこと。ひところの大内刈偏重に比べるとやはり展開に幅が出来る。対戦相手と力に差があり過ぎるゆえ採点は抑え目としたが、今回は結果・内容とも文句なしだった。48kg級戦線は日本の3人が独走状態。海外に確変の芽を持つ選手もほとんど見当たらず、パリ五輪は渡名喜、角田、古賀の3人誰が出ても日本の金メダルがほぼ確実と言っていい状態にある。その中にあって代表を勝ち取るにはもはや1試合たりとも負けられない、内容も圧倒せねばならない、という古賀の気迫と緊張感が伝わる試合ぶりだった。
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